春らしい暖かな日がしばらく続いたので、京都の市中は桜がとても美しく咲いています。ところが、4日の午後から急に気温が下がりはじめました。突然冬がもどってきたかのような寒さです。鞍馬より北から通ってきている職員が峠では吹雪いていたと言っていました。まさかと思っていたのですが、5日土曜日も寒さは続きました。気温の乱高下が続くと子どもたちの体調が心配です。6日日曜日、朝の気温は2度、日中でも5度を上回らない真冬並みの寒さです。冬型の気圧配置になって強い寒気が上空に流れ込むので、突風や突然の雨、降ひょう、落雷、竜巻に注意するようにという気象情報が流れていました。午前中は時折雨がザーっと降ってくる天気でした。
そんななか、お寺では今年も千本ゑんま堂大念佛狂言の奉納が行われました。昨年の演目には「舌切り雀」があり、園児達が雀役で出演したのですが、今年の演目は「いろは」と「花盗人」なので園児の出番はありませんでした。
「いろは」は、読み書きの苦手な小僧さんが寺子屋に入門して、お師匠さんから「いろは」を教えてもらうのですがなかなか覚えられず、お師匠さんのいうことをそっくり真似するというお話しです。小僧さんの役を演じていらしたのは、中学生くらいの男の子だと思いますが、雰囲気いっぱいに演じていらっしゃるのに驚きました。
「花盗人」も太郎冠者とお殿様の滑稽な姿がとても楽しい演目で、思わず笑ってしまいました。
気温が低い屋外で、時折冷たい風が吹きすぎてゆきますが、日差しはしっかり春なので、日の光の下ではとてもポカポカしました。
狂言の舞台は三分咲きの桜の額縁に縁取られた絵画のようで、その場の全てがとてもステキです。色も形も光も影も日差しの暖かさも冷たい風も香りも静けさも・・・全部が組み合わさって、何とも言えない雰囲気を醸し出していました。
狂言が終わってしばらくすると、薄暗くなり始めた夕暮れに、ふと空を見上げると月が空に輝いていました。目線を下ろせば三分咲きの桜と満開の梅、あられのような雪がさーっと通り過ぎて行く様は、何とも美しいものです。まさに雪月花。こんな経験なかなかできません。