春分の日というのに、冷たい北風が冬を連れ戻してきたかのような寒さになりました。
強い風が向かいの山との間に雪のカーテンを引いてゆくかのような雪の降り方でした。しばらくすると、そのカーテンがこちらまでやってきて、激しく雪が降りだします。しばらくふると止んで、また同じよう降り出すというを何度も繰り返していました。そんな状態が夕方まで続いたら向かいの山の上の方だけが白くなっていました。お彼岸の中日だというのにまるで冬です。春のお彼岸中に寒の戻りがあって雪が降ることはときどきあります。
山で暮らす動物たちもこの雪の中にいます。寒くないのかなと思ってしまいます。前にも書きましたが、お寺の参道に半分になったツバキのつぼみがたくさん落ちていました。ムササビが花の芯のところを食べているのです。この時期にはよく見られる光景です。夜のあいだにムササビがやって来て、つばきのつぼみを食べているのですが、半分にして、芯のところだけを食べて後は食べ散らかしています。お寺の自然の調査研究をしていらっしゃる方に聞いたのですが、ムササビを観察しようと、暗くなってから参道を歩いていると、鹿が石畳の上で何かをむしゃむしゃと食べているようだったので、何を食べているのだろうと近づいて見たら、鹿は口をもぐもぐさせながら立ち去り、その後にはムササビが落とした葉っぱやツバキのつぼみが残っていたそうです。つまり、鹿はムササビのおこぼれに預かっていて、ムササビが食べ散らかすことも鹿の役に立っているのです。意識しているわけではないでしょうけれども、自然の動植物はうまく助けあって生きているのですね。
もちつもたれつ
2014/03/21