ダンボールを使って、隠れ家というか秘密基地を作っていためぐみ精舎に通ってきている小学生達のことを紹介しています。
子どもは狭い空間が好きです。どこか落ち着くのでしょう。洋画で目にしたことがありますが、子ども部屋に小さなテントのように布を吊して、子どもがその中で遊んでいました。どこか囲まれるような包まれるような狭い空間に身を置くと安心するのかもしれません。また、自分たちの自由になる空間があることで満足できるのかもしれません。
自分自身が子どもの頃をふり返ってみても、そういう空間を作っていたように思います。私の場合は室内というより、友だちと一緒に山の中に入って、木の枝や葉っぱを使って、秘密基地を作っていましたし、それがエスカレートして空き地に小さな小屋を建てようと、材料を集めたりしたことを思い出します。結局、小屋はできませんでしたが、自分たちだけの空間を求めていたのです。
秘密基地作りは、狭い空間で安心したい。落ち着きたい。という子どもの希望、大人から離れて、仲間の関係性を強める、自立のために子どもが必要としていることといった意味があるのです。ですから、大人はあまり手出し口出ししない方が良いのでしょう。
小学生達が過ごしているめぐみ精舎の部屋は大きな一部屋で、今のところ空間をしきるものが少ないので、子どもたちにとっては落ち着かないのかもしれません。そこで、ダンボールを使った、隠れ家作りが始まったのでした。その中で、子どもたちは限られた材料や道具をシェアしあうとともに、アイデアを出し合い、意見を交換しあって、秘密基地の改修を重ねていました。
ところが、前回も書いたように、どういう理由か男女で空間を二分して対立が始まってしまいました。小学生の頃って、女子なんか!男子なんか!と言い合って対立することが良くあるように思います。ダンボールで壁を作って、「入るな」だとか「どっちが狭い」だとか言い合っていたようです。ダンボールだけで作った壁ですし、しっかり立っているはずもなく、ゆがんだり、倒れたりします。そのことがまた煩わしさの一因になって、お互いの対立を深める原因になっていたのかもしれません。