琵琶湖博物館に遠足に行った5歳児たちは、琵琶湖を中心とした淡水魚の水族展示を存分に楽しみました。もっと時間があれば、もっと楽しめたと思います。比較的暖かな日和だったので、琵琶湖の近くでおべんとうをいただきました。
おべんとうを食べ終わってから、しばらくのあいだ芝生の上で遊び、斜面を転がったり、つくしを見つけたりしていましたが、突然1人が、「これなに?」と何かを見つけたようでした。見てみると、拳くらいはありそうな巻き貝の貝殻です。そんな大きな巻き貝の貝殻を琵琶湖周辺で見たことはなかったので、おもちゃか何か人工物かと思いました。よく見てみると、貝殻が割れた断面などは本物の貝殻のようです。これなんの貝殻かな?とみんなで不思議がっていたら、「こっちにもある」「あっちにも転がってる。」と3つ〜4つの貝殻を見つけました。ますます不思議になって、なんだろうと思案していたら、「琵琶湖博物館で聞いてみたら?」と提案してくれる子がいました。確かに良い考えです。淡水で暮らす生物の研究者、専門家が大勢いらっしゃるのですから、聞かない手はありません。もちろん琵琶湖博物館の図書館で図鑑を使って調べるという方法もありましたが、子どもたちは専門家に聞くという方法を思いついたようです。
そうと決まれば、早速博物館にもどります。もともと午後も見学をする予定だったので、その前にこの貝について尋ねてみることにしたのです。博物館の図書館には質問コーナーというコーナーがあり、質問できるようになっていました。今まで何度も訪れていますが、ここで質問するというのは初めての経験です。質問コーナーを訪れたときは、どなたもいらっしゃらなかったのですが、すぐにもどってこられた担当の方を待ちかねた子どもたちが、「これなんですか?」と貝殻を見せると、貝がご専門の方を呼んでくださいました。立派な白いおひげを湛えたまるで仙人のような先生が、その貝を一目見て、「これは、スクミリンゴガイですね。」とおっしゃいました。スクミリンゴガイ、聞いたことのない名前です。