インプラントという治療方法も最近は良く知られるようになってきました。簡単にインプラントなどと言いますが、大変なことです。良くできるものだと思います。ことばで聞くとそうなのかと思いますが、狭い口の中、それも残った健康な歯の間、歯1本分の空間で、歯茎を切開して骨に小さなドリルで穴を開けてゆくんです。それも位置や角度、深さなど、正確に行わないと大変なことになってしまうのです。変な話ですが、自分自身大きな木の板にドリルで穴を開けるにしても、位置を間違えたり、斜めになったりして上手く行かないことを思うと、想像もつかない難しさなのだろうと思います。しかも、日曜大工とは違って、ひとつ間違えば大変な事故になってしまうのです。インプラントの手術が増えてきたことで、大きな事故ではなくても、不適切な治療も増えてきたそうです。実際に、他の医院で不適切な治療を受けた患者さんの再治療を行う事もあるとおっしゃっていました。
そういった事故が起こらないように、また患者さんにとって最も良い治療を行うために、最善の努力をしていると堤医師はおっしゃっていました。驚いたのが、もう3年も前から、治療に3Dプリンタを使っていらっしゃるというお話しでした。3Dプリンタがそこまで実用化されているとは知らなかったこともありますが、歯の治療に使われているというのも驚きです。
患者さんの頭部をCTで撮影し、そこで得られたデータを元に3Dプリンタで顎の模型を作ります。そうすれば、顎の骨の中のどの部分に血管や神経が通っているのかを模型で把握することができるので、より正確に、安全に手術が行えるとおっしゃっていました。手術の精度を上げるためにそこまで行っていらっしゃるとは驚異的です。良いと思ったことはどんどん取り入れてやってみる。このチャレンジする姿勢は是非とも見習いたいと思いました。