地域の方や保護者の皆様も開演時間までに席についてくださり、子どもたちも一旦別の部屋に集まって、先生から注意事項など少し話を聞いてから揃って入場しました。「獅子舞」と聞いてなにやら不安げな子もいます。「節分に鬼が来て、とっても怖かったのに、その3日後に今度は獅子だって!? なんだ?その獅子って?」なんて思っていたのかもしれません。
緑色の大きな風呂敷包み(獅子頭)を持った金子しゅうめいさんが登場して「太鼓と獅子舞のミニライブ」いよいよはじまりです。事前の打合せで、先ずは子どもたちが太鼓を全身で感じることから始めて、最後に獅子舞で終了すると聞いていたので、どんな始まり方をするのだろうと思って楽しみにしていたら、最初はうちわ太鼓が登場です。しゅうめいさんが「ついこの間お正月が終わりましたね。」と話し出した途端に「今日、ぼくの誕生日!」と宣言する子がいて、会場を沸かせていました。するとしゅうめいさんは、扇子を取り出し、「お誕生日お祝いの舞」といってひとさし舞ってくださいました。ステキな舞に他の子どもたちも大喜びです。
太鼓はうちわ太鼓に始まって、4種類の太鼓を紹介してくださいました。紹介の仕方もただ単に太鼓の名前や音を子どもに伝えるというのではなく、子どもたちが耳を澄ませてじっくりと太鼓の音に聞き入ることができるように工夫してくださっていました。耳を澄ませてじっくりと聞き、太鼓の種類によって音の高さや響きが異なることを聞き分けます。リズミカルに太鼓が演奏されると、子どもたちの身体は自然に動き出します。後ろから見ていた私も、身体を動かしたくなりました。
耳に神経を集中して太鼓の音を感じた次は、身体全体で太鼓の音を感じます。床に身体をつけて、床に響く太鼓の振動を身体全体で感じていたら、やはり自然に身体が動いている子が何人もいました。
耳で音を感じ、身体全体で音を感じたら、次は目で音を見るというチャンスを与えてくださいました。思ってもいなかった方法で音を見る事ができた子どもたちは大喜び、5歳児2人も体験させてもらっていました。
それにしても、太鼓の響きというのは、心や身体の深いところにザワザワと響いてくる気がします。打楽器の持っている根源的なパワーなのでしょうか。太鼓の魅力を改めて感じました。