その畑は土が軟らかいので、大根の葉の付け根を持って上に引くとちょっとした手応えとともに土からスポンと抜けてきます。最初子どもたちはコツがつかめず、なかなか抜けないといいながら悪戦苦闘していますが、
ちょっとしたコツをつかむと、おもしろいように抜けるので、どんどん収穫してゆきます。今年は大根が小振りだったこともあり、去年より簡単に抜けました。慣れて来たら、片手でどんどん抜いてゆく子、一本抜いて、そのまま次の一本を抜いてしまう子もいました。みるみるうちに、畑には収穫した大根の山ができます。抜いた大根は、近くの水のあるところまで運んで、一緒に来てくださったお寺の職員さんに洗っていただきます。昨年までは大根を抜くことがおもしろくて、収穫した大根を運ぼうとする子はいなかったのですが、今年のこどもたちは、一輪車に大根をのせて運ぶ楽しさをみつけたようです。一輪車に大根を満載して運んでいました。大根を満載した一輪車を1人で押して運ぶのは子どもには難しいことです。どうするのかなと思っていたら、いつのまにか友だちに声をかけて3人くらいで力を合わせ、時にはひっくり返しながらも、一生懸命運んでいました。
しかし、みんなが一輪車に行ってしまったわけではなく、大根抜きがしたい子もいて、
ちょうどバランスがとれていたように思います。そうして、お寺の職員さんが洗ってトラックに積んでくださった大根で1トントラックの荷台はいっぱいになりました。そうして子どもたちが収穫した大根の一部は園の昼食の材料となり、子どもたちがそれぞれ家に持ち帰ったりしますが、一番の用途は、お寺のご本尊にお供えすることです。