昆布の味比べにはじまり、いろいろなことを実際に試して見ることがおもしろくなってきました。翌日になり、前日に作ったおすましが少し残っていたので、味見をしてみたら、どちらの昆布を使ったおすましも、味がまろやかになっていました。もちろん、一晩置いたものを子どもに提供することはありませんが、時間の経過も味に影響するのだと思いました。
試してみることは更に広がってゆきます。次には味噌汁で試してみるとどうなるのだろう?という疑問が湧いてきて、調理の先生が2種類の出汁昆布で味噌汁を作り比べていました。味噌汁になると、おすましでは気になっていた、新しい昆布(B)の味の主張がそれほど気にならなくなり、しっかりした味わいの味噌汁になりました。今まで使っていた昆布(A)の方はあっさりしたいしさ。といったところです。保育士の先生達にも試してもらったら、好みはいろいろでしたが、体が元気なときには昆布(B)を使った、しっかりした味が美味しいと感じるし、疲れているときには、昆布(A)を使ったあっさりした方がうれしいかもしれないといった意見もありました。とてもおもしろいと思います。
この実験?を通して昆布(A)も(B)も、使用目的や料理の種類によって使い分けるのが良いのではないかという結論にいたりました。
その素材がもっとも生きる調理方法や味付けは何か、素材のことをよく知り、活かせる方法を考えると良いのですね。当然といえば当然のことなのですが、小さことであっても、体験を通して実感することは価値のあることだと思います。
それぞれの食材について良く知り、この食材の良さを最も活かすことのできる場や調理方法はなにか?と心を使うことが大切なのでしょう。
ひとり1人違う人のことをよく考え、理解しようとしたうえで、その人の良さが最も輝く場所や仕事ってなんだろう?そんな風に考えられると良いのですが・・・
2種類の出汁昆布をきっかけに、試してみることをこんなに楽しめたのは、すぐに実行して形にしてくれた、調理の先生達のおかげです。