興味を持った子どもから順に取り組み始めたステンドグラス作りでしたが、友だちが楽しそうに作っている姿や、できあがった作品を見て、ぼくもやりたい、わたしもやりたいとやってみたくなった子がたくさんになりました。しかし、絵の具の数や場所の関係から一度にできるのは多くて4人から5人が限度です。ランチルームは昼食で使うので、昼食時には会場を2階に移し、昼食が終わったら、2階でお昼寝をするのでまたランチルームに移動するなど、何度も引っ越しをしながら、数人ずつ取り組みました。
年齢に関係なく、下絵を描いて丁寧に進めて行く子、画面にいろいろな色を大胆においてゆく子、同系色の水玉模様を作る子、幾何学模様に挑戦する子、「マヨネーズみたい!」と細く絞り出せるマヨネーズをかけているかのように描く子、本当にひとり1人違っていてその違いがとても興味深く、楽しい時間を子どもたちと過ごしました。
中でも3歳児の女の子が、画面を端から少しずつ埋めてゆくようにたっぷりとガラス絵の具をおいていたのには感心しました。違う色を重ねると色が混じってしまいますし、絵の具の層が厚くなると透明感が出にくくなるので、それを伝えようとしましたが、あまりにも真剣なその子の顔を見たら、ことばをかけられなくなりました。余計なことはいわない方が良いのです。1色置いたら、すき間ができないように丁寧に別の色を置いてゆきます。それには集中力がいりますし、手指の力加減やコントロールも難しいと思うのですが、その女の子は30分以上も時間をかけて、じっくりと取り組んでいました。見ているこちらが思わず息を止めてしまうくらいです。こんなにステキな子どもの顔が見られるのなら、もっと思う存分できるようにしてあげたくなりました。できあがったその子の作品は、いろいろな色が不思議な模様を描く海のようでもあり、意志を持った液体が何かを形作る過程のようにも見えます。私は心の中で「命の海」と名付けました。
その後も、いろいろな子が「やりたい!やりたい!」と集まってきて大人気です。一度やった子ももう一度やりたいといいます。月曜日からも引き続き行う事にしました。全員の作品ができたら、やりたい子が自由にできる場を設けられると良いのですが・・・