認知症になっても適切なケアがあれば、みんながそれほど困難を抱えなくてすむということが海外の事例から明らかになっているそうです。ハートネットTVの認知症シリーズの第2回では、オランダの取り組みが紹介されています。オランダでは、「認知症の人が住み慣れた我が家で穏やかに暮らせる状態を保つこと」を目標に2000年代から認知症ケアの国家的プロジェクトが進んでいるそうです。暴力や徘徊といった認知症の症状は本人の不安を取り除くことで和らぎ、家族も無理なく介護できるのだと言います。本人のケアと共に介護をしている家族もケアすることが必要なのだそうです。様々な人が連携して家族ごと支えることによって、オランででは認知症の8割の人が自宅で暮らし、そのうちの半数が一人で暮らしていると言います。
ディレクターの取材後期には、オランダを取材して、本当にこの人達が認知症なのかと疑ったと驚きのコメントが綴られています。重度の人でも穏やかに読書や散歩をして過ごしていらっtしゃることが全く信じられなくて、余命2年くらいの末期の人たちが入るという入所型の施設でも、穏やかに過ごしていらっしゃったと言います。
どうやら私の「認知症の人」のイメージそのものが、「固定概念」にとらわれていたようです。「重い人を!寝たきりの人を!」と色眼鏡で捉えようとしていた自分に反省するとともに、同じ人間なのに一体なぜこんな違いが出るのか?どうしてこんなことができるのか?という疑問からあらためて取材をし直した次第です。(ハートネットTVホームページ)オランダが認知症の早期発見と治療、そして家族支援という国家戦略をとって10年、その戦略が功を奏しているそうです。
1人ひとりの幸せをめざし、そのための仕組みをつくり、その中で様々な人がそれぞれの役割を果たし、チームとなって問題に取り組む。オランダの人々のそんな姿勢が感じられる内容です。