恐竜博物館の展示はとても充実していました。1階の展示室は「恐竜の世界」と「地球の科学」がありましたが、「地球の科学」の展示を見たいと思いながら、恐竜の世界に引き込まれて、見るのを忘れてしまいました。調査研究の成果を一般の人にもわかりやすいように展示にもとても工夫が凝らしてあります。恐竜の全体骨格や化石標本とともに生きていた頃の姿や生活がわかるように再現されたジオラマは大迫力です。ドーム状の建物の内壁に風景が投影された中に植物や枯れ葉まで環境が再現され、そこに大きな恐竜たちがいて、少し動いています。フロアのまん中にいたティラノサウルスもそうですが、動きがとてもリアルです。
「ダイノシアター」は3メートル四方くらいの大きな2つのスクリーンが対面して設置されていて見学者は2つのスクリーンの間で映像を見ます。スクリーンには恐竜が生きている様子が精緻なCGで映し出されます。対面しているスクリーンが連動しているので、左側のスクリーンからこちらに向かって突進してきた恐竜が頭の上を跳び越して右側のスクリーンに移動してゆくようで、とても迫力があります。
ダイノシアターからジオラマに見とれながら、通路をゆっくりと進んでゆくと、いつの間にかに2階にたどりつきます。長いエスカレーターで下りてから、2階に上がってくるまで約1時間、ちょっと急いで見てしまったのでじっくり見たという感覚はなく、1階の「地球の科学」コーナーは見るのは忘れてしまっていたくらいです。それでも1時間かかりました。
詳細な調査研究でわかったことを最新の技術や機器類も駆使して、いろいろな人にわかりやすく示す様々な工夫が凝らされていることが感じられました。まるで、恐竜の生きていた頃にタイムスリップしたかのように感じられるジオラマなどは柱のないドーム型の建物だからできたことなのでしょうし、球状の建物の内壁に映し出された風景に奥行きが感じられたこともより臨場感を高めてくれると思いました。細部にまでこだわることが、人の心を惹きつけるのでしょう。