メロンで作る特大リースはうまくできませんでしたが、メロンの生命力を感じると同時に、自然はなかなか思うようにはならないものだということ、思いのかけ方と手のかけ方の難しさを感じさせてくれました。自然農の畑も、「自然に」といってほとんど面倒を見ないと、収量は極端に減りますし、作物が絶滅の危機に瀕します。必要なときに必要な手をかけることが大切になってくるのだと思います。そのタイミングや方法を間違えるとうまく育たないようです。その植物にとって今必要なことを知り、どうすればその植物の自分で育つ力をもっとも発揮できるのか、他の植物などとの関わりも含めて考える必要がありそうです。そのためには、まず、その植物のことをよく知ること、そしてしっかりと気持ちを運び、その植物の今を見る必要があります。
スイカやメロンはトマトやキュウリと違って、自分の身体を作る時期と、子育ての時期の切り替わりがはっきりしていて、いったん赤ちゃん(実)を宿すと、自分のみを削ってでも我が子に栄養を送り込もうとします。ですから、まだ体づくりができていない時期に実をならせると、子どもに十分な栄養を送ることができないまま、身体を弱らせてしまうのだそうです。(『のらのら』2013夏号より)
ですから、しっかりとした実をならせるためには、親蔓を何節目で摘心する、元気のよい子蔓を伸ばす、子蔓の何節目についた雌花に受粉する、たくさん実ができないように摘果するなど、作物の様子をしっかりと観察して、今は成長のどの段階にいるから、どんなことが必要なのだろう。と考え、花が咲いた、実がなったと今の姿だけを見て喜んでいるだけではなく、その意味を将来と結びつけて考える必要があるのだと思います。