9月26日子どもたちがスリランカ舞踊鑑賞会を行いました。ここ何年か秋に行っている行事です。東京スリランカフェスティバルに出演することを主な目的として来日されたスリランカ日本教育文化センター(SNECC)の関係者の皆様が、各地を訪問されるなかで京都にもいらしてくださっています。
SNECCは、社会的、経済的理由で充分な教育を受けることができないスリランカの子どもたちを援助するために日本で里親を募集して、里親の援助を得たスリランカの子どもたちが学校に通うことができるという仕組みを構築して活動を続けてこられました。日本の里親の皆様の善意とスリランカの子どもたち一人ひとりを結ぶ、まさに顔の見えるつながりを作るご縁結びを四半世紀にわたってこつこつと続けてこられたのです。そして、この教育里親奨学金制度を支えるために、今では全国に百十七カ所ものANECCの地域センターがあり、里子の募集や調査をはじめとした支援活動を続けていらっしゃいます。
SNECCの活動はこの教育里親奨学金制度だけにとどまらず、幼児教育開発として全国で十六の幼稚園を運営、医療サービスとして医療費の補助や健康診断の実施、介護訓練、伝染病予防活動、図書サービスでは、地域センターのうちの三十八カ所に図書室を開設、教育サービスとして、学校の授業の補習授業、日曜学校で仏教を学ぶ活動、職業訓練としてのコンピューター教室、そして伝統舞踊や音楽など芸術的な才能を伸ばす取り組み、自然観察プロジェクトでは、環境についての学びを深める活動、などに及んでおり、日々活動の幅を広げ、その内容を深められていらっしゃいます。そして、里子の日本研修旅行や音楽、伝統舞踊を学ぶ子どもたちが、日本で様々な文化活動や交流も行う機会も提供されています。今回のように鞍馬でも何度かスリランカの伝統舞踊を披露していただきました。これらのたくさんの活動を支えているのが、数十にも及ぶ基金です。様々な方の善意をひとつにまとめて大きな基金を作るのではなく、それぞれの基金にすることによって、皆様の善意がどのようなかたちでスリランカの子どもたちの役に立っているのか、実感できるようになっているのです。
日本の支援者の方々は、それぞれに得意分野を活かしてスリランカの子どもたちを支援していらっしゃいます。何人かのグループで幼稚園を建設された方々、医療の知識を活かしてSNECCの医療サービスをサポートしていらっしゃる方、いろいろな方がいらっしゃいます。それぞれが、それぞれのやり方で支援ができるような仕組みになっているのです。日本の人々が、「スリランカの子どもたちの支援」という目標に向かって、自分にできることを自分にできる方法で行なっていらっしゃる。いいかえれば、うまく役割を分担していらっしゃるということです。それをしっかりとマネジメントしていらっしゃるのが今回も来日されたSNECC事務局長のミーガハテンネ・チャンダシリ師です。今回も師をはじめダンサー3名、シンガー1名、通訳としてSNECCの事務局員1名の計6名がいらしてくださいました。