以前、このブログで声明(天台声明)について少し書かせていただきました。声明を学ぶきっかけは、20年以上前に貴重なご縁で声明の研究会に参加させていただき、皆様からご指導をいただいたことがはじまりです。毎月お稽古を行いながら、声明をいろいろな方々に紹介するため様々な公演に参加しました。チェコ、フィンランド、デンマーク、ポルトガルなど海外での公演にも何度もお供させていただきました。その後、研究会の変遷はありましたが、今でも京都で活動する研究会の一つに参加させていただいています。先日、その研究会の公演がありました。
京都産業大学という大学があります。鞍馬から車で10分ほど、当園に一番近い大学です。京都産業大学は昭和40年、世界的な宇宙物理学者である荒木俊馬博士を初代総長として開学されました。「大学の使命は、将来の社会を担って立つ人材の育成にあり、全世界の人々から尊敬される日本人として、全人類の平和と幸福のために寄与する精神をもった人間を育成することである。」(抜粋)という建学の精神に基づく教育が行われています。2008年に益川敏英博士が、「小林・益川理論」による物理学への貢献でノーベル物理学賞を受賞したときに教授として在籍していたことで、メディアで頻繁にとりあげられていたのを思い出します。
京都産業大学が2015年には50周年を迎えるので、記念事業として京都・壬生に大学と社会を結ぶ「知」の発信拠点となる「むすびわざ館」を開館しました。「むすびわざ」とは「産業」であり、「新しい業(わざ)をむすぶ」 という意味で「むすぶ」は「産(む)す」という語源を持つことから、「産み出す」をも意味し、新しい業(わざ)、価値、そして人材を産み出す、その先駆けを担うのが「むすびわざ館」の使命だそうです。
そのむすびわざ館にはホールがあり、そのホールで声明公演が行われました。昨年の第1回目の公演に続き、今年は2回目の公演になります。
むすびわざ館ギャラリーでは、9月3日(火)から10月20日(日)のあいだ、第5回企画展「京都大原 勝林院の仏教文化と歴史」が催されており、企画展と連動して講演会「大原勝林院一千年の祈りと法然上人」 と第2回「天台聲明の調べ」が開催されたのです。