園長ブログ

保育園の役割 1

2013/10/09

保育園はなんのためにあるのでしょう。児童福祉法第39条には「保育所は、日日保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設とする。」とあります。保育に欠けるとはどういうことなのでしょうか。

児童福祉法施行令には、次のようにあります。

1. 昼間労働することを常態としていること。
2. 妊娠中であるか又は出産後間がないこと。
3. 疾病にかかり、若しくは負傷し、又は精神若しくは身体に障害を有していること。
4. 同居の親族を常時介護していること。
5. 震災、風水害、火災その他の災害の復旧に当たつていること。
6. 前各号に類する状態にあること。

両親がこれらの状態にあって、子どもを保育することができず、同居の親族なども保育できない場合に保育を行うということです。
当然と言えば当然のことですし、何らかの理由で子どもを保育できない保護者に代わって保育をするのは保育所の最も大きな役割の一つです。保育所の役割を言う場合、就労支援など保護者にとっての機能、保護者サポートという側面について言われることが多いように感じます。
もちろん保護者支援は大切なことなのですが、主役は子どもです。子どもがより良く育つために、保護者を支援するのです。

保育所保育指針の第1章総則には「趣旨」に続いて「保育所の役割」が(1)保育所保育の目的 、(2)保育所の特性 、(3)子育て支援 (4)保育士の専門性の4つの観点から記されています。その中で、(1)保育所保育の目的にはこう書かれています。

(1)保育所は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第39条の規定に基づき、保育に欠ける子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。

そして、この部分の解説では、「子どもの最善の利益」と「最もふさわしい生活の場」
について取り上げられています。

「子どもの最善の利益」とは、子どもの権利条約に定められた概念で、保護者を含む大人の利益が優先されることへの牽制や、子どもの人権を尊重することの重要性を表しています。その子どもの最善の利益を守り、子どもたちを心身共に健やかに育てる責任が保育所にあるのです。

保育指針にあるように、子どもの側から保育所の役割を考えたいと思います。

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