子どもは十分に体を動かすことの心地よさを味わうことで、自ら活動することの喜びや達成感を味わい、ますます活発に遊ぶようになります。
もちろん、体を動かすことが好きな子もいれば、あまり好きではない子もいます。ある日、何かのきっかけで、「鉄棒で逆上がりがしたい!」と思った子が一所懸命に逆上がりに挑戦し始めました。それを見て、いろいろな子が僕も私もと挑戦し始めます。すぐにやる子もいれば、やってみたいのだけれどちょっと勇気がなく少し離れたところから見ているだけの子もいます。全く興味を示さない子もいます。そんな風にして、鉄棒で遊ぶことが子どもたちの間でブームになります。年齢は関係なく、5歳児クラスの子どもがきっかけになることもありますし、4歳児クラスの子どもが始めることもあります。そんな様子を見て3歳児がやってみようとしたり、2歳児、1歳児も鉄棒にぶら下がる姿も見られます。
誰かが取り組み始め、ブームが起こったときに、一所懸命に挑戦している子には、少しコツを教えてあげたり、励ましたりしてあげる。遠くから見ている子はさりげなく誘ってみる。あまり興味の無い子には興味を持てるような工夫をする。など先生はいろいろな方法で、子どもたちが興味を持って取り組むようにしています。大切なのは子どもが楽しんで取り組むためには、どのような環境を構成すれば良いのかを考えることです。そのためには、子どもひとり一人の気持ちにより添い、その子の気持ちになって考えることが必要になってきます。
運動が得意ではない子も、年齢にかかわらずその子が自分の課題に挑戦する意欲をもち、継続して取り組み、できるようになることで達成感を味わうことができるかが重要なのだと思います。何かができるようになるという結果だけが大切なのではありません。何かに挑戦しようという意欲とそれを続ける努力、そしてできるようになったという達成感。そのプロセスが大切で、そのプロセスが、自ら活動することの喜びや達成感を味わい、ますます活発に遊ぶようになることにつながるのです。