コミュニケションは様々な媒体によりますが、ことばによることが多いと思います。アメリカの文化人類学者エドワード・ホールは「高コンテクスト文化と低コンテクスト文化」という概念を提唱しました。コンテクストということばには、文章などの前後関係、文脈、脈絡、や(ある事柄の)状況、環境という意味があります。コミュニケーションのコンテクストへの依存度が高いのが、高コンテクスト文化で、全てを言語で説明しようとするのを低コンテクスト文化というそうです。
高テクスト文化は、人間関係や社会習慣など、ことば以外に依存する傾向が強いタイプのコミュニケーションです。詳しく説明しなくてもお互いにわかりあえる、「言外の意味を察する」というように察することができる文化です。「以心伝心」や「一を聞いて十を知る」といったことが成立するのです。ですから、聞き手に「察する」能力が求められます。特徴として、直接的に表現するより単純な表現、曖昧な表現が多い。逐一説明しないので、多く話さない。などの傾向があります。
一方、低コンテクスト文化は、ことば以外のものに依存しない傾向が強いタイプのコミュニケーションです。なんでも、ことばにしないとわかり合えない、ことばで一から十まできっちりと説明する必要があります。ですから、話し手の能力が求められます。非論理的であったり、曖昧な表現では通じません。傾向として、直接的で解りやすい、はっきりした表現が必要とされ、多く話す事が必要となってきます。
世界をコンテクストへの依存の高さで分類してみると、高コンテクストのグループには日本人、中国人、アラブ人であり、低コンテクストのグループにはドイツ人、スカンジナビア人、アメリカ人となるそうです。その中でも日本は最も高コンテクストなのです。