携帯電話から突然聞き慣れない警報音が鳴り響きました。8月8日午後4時56分のことです。何事かと思って確認してみると、緊急地震速報が発令されていました。私はプライベートで大阪に行った帰りに京阪電車の駅にいたのですが、とっさにどうして良いかわからなくなりました。とにかく安全を確保しなくてはと思い。ホームの窓ガラスや、頭上に落下してきそうなものがあるところからは離れましたが、それ以上どうしようもありません。しばらく身構えていましたが、一向に揺れがこないので、それほど大きな地震ではなかったか、誤報だと思いました。ホームには何人かの人がいましたが、みんな落ち着いたというかあまり気にしていない様子でした。しばらくして、緊急地震速報を受信したため電車が止まっているという放送がありましたが、周りの人たちは我関せずといった感じでした。5分ほどして、電車は動きだし、乗ろうとしていた電車が数分遅れでホームに入ってきたので乗りました。
車内では「緊急地震速報を受信したため、電車の運行を止めました。お急ぎの所ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません」というアナウンスが、何度も何度も流れていました。もちろん停車する駅で乗降する乗客がいるので、それぞれに伝えようと思えば、何度もアナウンスするしかないのはわかりますが、何度も聞いているうちに、それほど謝らなくても良いのではないかという気になってきました。乗客の安全を考えて電車を止めるという措置をとったのに、それほどまでに謝らなくても・・・と思ったのです。鉄道会社の誠意なのだと思いますが、そうして、何度も謝らないと、苦情を言う人が出てくるのでしょうか?もしそうだとしたら、少し悲しいように思います。地震は不可抗力ですし、いつ起こるかわかりません。緊急地震双方の発令に合わせて、電車を止めるという判断は、事故を予防する。つまり乗客の安全を守ろうと努力した鉄道会社の判断なのですから、多少遅れてもしょうがないと思うのですが、そう思わない人が多いのでしょうか?
都市化された、人工物ばかりの中で暮らしていると、何でも人のせいにしてしまうようになる。と何かに書いてあったのを思い出しました。
山の中を歩いていて、木の根につまづいて転んでも、「しょうがない」と思えるのに、人が作った階段で滑って転ぶと、滑り止めがしていない設置者が悪いと、人のせいにしてしまうことが多いというのです。もちろんみんながみんなそんなわけではありませんが、そんな傾向が強いのかもしれませんね。
何度も謝罪する車内放送を聞いていてそんなことを思いました。