今年も5歳児たちが、待ちに待ったお泊まり保育の日がやってきました。いつもより大きい荷物を持って、うれしさと少しばかりの不安を胸に登園してくる子どもたち。今年もおとまり保育の目的は、「子どもたちが自分で生活すること」です。もちろん普段から何でも自分たちでやっている5歳児たちですが、普段保育園で食べる機会がない夕食づくりの仕事があります。
今年も夕食のメニューは事前に子どもたちが話し合ってハヤシライスに決めたようです。ところが、子どもたちの夕食メニュー決定会議はハヤシライス賛成派と反対派に別れて紛糾したようで、なかなかメニューが決まらなかったようですが、先生も子どもたちが話し合って決めることを信じて、できるだけ口出しをせずに待っていたそうです。そうしたら、いつの間にかハヤシライス反対派が歩み寄ってくれて、無事にメニューが決まったと言っていました。こう書くと「ハヤシライスはいやだ」と言っていた子が渋々同意させられたように感じられるかもしれませんが、そうではないようです。賛成派と反対派がお互いに譲らず、硬直状態が続くので、このまま決まらなかったらどうしようかと先生も心配していたようですが、しばらく時間が経つと反対派が積極的に歩み寄ってくれたのだと言っていました。
大人だったら物別れに終わりそうですが、子どもは素直なのか、いつの間にか気持ちを合わすことができるようです。それもお互いに納得してのことです。もちろんその前段階としては徹底的に意見を交わし合う、戦わせることはしています。子どもは優柔不断なのではないかという意見もあるかもしれませんが、そういうわけではないように思います。子どもは刷り込みが少なく、我欲にこだわることがなく、心がやわらかいのだと思います。