音楽大学と企業のコラボレーションによって開発されたボイスケアのど飴、その開発の道のりは平坦ではなかったようです。試作品を作っては学生さんに試してもらい、アンケートを取るのですが、まず壁となったのが企業と大学の時間の流れ方の違いです。学生さんは試験や長期休暇など大学のリズムで動くので、すぐにアンケートに答えてもらえるわけではないのです。必然的に開発期間はのびてしまいます。
そのうえ、返ってくる反応もなかなか良くはなりません。飴の品質をどう改善すれば良いのか見当はつかないし、時間は過ぎてゆくし、上司からはいつまでやってるんだと叱られるし、くやしくて家に帰って泣いたことも一度ではなかったと開発担当の片桐さんはいっていました。上司にしかられても、「どうしても、学生さん達が喜ぶのど飴を作りたい」という強い思いを伝え、その熱い思いを糧にけっして諦めることなく努力を続けたのです。
答えはアンケートの中にあるはずと、何度も何度もアンケートを読み返したといいます。そうして、開発担当の杉村さんの協力も得て作った試作品の数は60種類以上になりました。普通の商品開発ではこれほどの試作品は作らないそうです。食べやすさと、効き目を感じられる感覚のバランス、その上にどう味に個性を出すかという難問に取り組んで、最終的に3種類に絞り込んだうえで、学生さんの代表に選んでもらっらいました。
誰かに喜んでもらいたいという熱い思いと、決して諦めない強い意志がひとつの商品を誕生させたのです。学ぶところはたくさんあると思いながら番組を見ました。
カンロのホームページを見たら開発ストーリーが紹介されていて、そこにはパッケージデザインも学生さんのアイデアでクールな雰囲気と同時に親しみやすさも持ったデザインになったとありました。
みんなが力を合わせることができて、そこに喜びがある。そんな関係がチームであり、チームがステキを生み出す。しかしその背景には情熱と諦めない強い思いがある。何をするにも大切なことだと思いました。