園長ブログ

縄文時代 2

2013/07/05

函館市縄文文化交流センターの展示をとおして、自然と共に生きてきた縄文時代の人々が豊かな生活を送っていたことを感じました。他に印象的だったのは、漆です。中国で約6,200年前の漆器が発見されてから、漆の使用は中国からはじまり、日本に伝わったと考えられていましたが、函館の垣ノ島遺跡から出土した漆の装飾品が年代測定の結果、約9,000年前、縄文時代前期のものであることが確認されたので、それまでの説ではなく、日本では独自に漆の加工が行われていたことがわかったそうです。漆を糸に染みこませた装飾品や、漆を塗った土器なども見つかっており、その頃の技術の高さが伺えます。英語で漆のことをlacquerといいますが、japanともいいます。垣ノ島遺跡からの漆器の出土は漆の面目躍如といったところでしょうか。

また、ヒスイを用いた勾玉が展示されていましたが、このヒスイは新潟の糸魚川でとれたものであり、縄文時代の人々が広い範囲で交易していたことを示すものなのだそうです。その他にも天然のアスファルトが石鏃などの接着剤として使われていたことがわかっているそうです。交易も技術もかなりレベルが高かったようです。

なんだか縄文時代の人々のすごさを感じさせられます。狩猟採集が中心の生活ではありますが、だからこそ自然に寄り添い、自然の声を聞き、それに従って生活していたからなのかと思ってしまいます。

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