園庭の門を入ったところに2本のアジサイがあります。一本はふつうのアジサイ、もう一本はガクアジサイです。先日ふと見たら、薄い青紫色の花が美しく咲いていました。久しぶりの雨に気をよくしたのか、一気に咲いたという感じです。花びらについたしずくがキラキラしています。それにしても、いつの間に咲いたのでしょうか。
毎日の忙しさに流されていると、なんでもなさそうなことがついついおろそかになってしまうことがあります。そうすると細かなことから気持ちが離れてしまいます。さまざまな仕事が、心がこもっていない作業になってしまうということです。園庭でアジサイが咲いていることに気がつかなかったのは、目と気持ちが少し遠くなっていたのかもしれません。「気をつけて!」とアジサイの花が教えてくれているのですね。
最近、先生たちが、子どもたちが少しでも興味を持てるようにと、花壇に植えた花やアジサイなど、園庭の植物にたのしい解説をつけくれました。様々なものごとと子どもたちをつなぐインフォメーションが増えると良いと思います。
アジサイといえばカタツムリというイメージがあります。アジサイの葉の上を散歩しているカタツムリを見たことはありますが、アジサイにたくさんのカタツムリが集まっているところはあまり見ないように思います。カタツムリはアジサイを好むのでしょうか。私がしっかりと見ていないからわからないのかもしれません。
お寺で自然を調査してくださっているお寺の職員さんが、デジタルカメラを苔に近づけて何かを撮影していらっしゃったので、何がいるのかと尋ねたら、カタツムリという答えが返ってきました。しかし、私にはどこにいるのか全くわかりません。「ここにいますよ!2ミリくらいのカタツムリが!」といってくださってはじめて、これかな?と思ったくらいです。撮影した写真を拡大して見せてくださってはじめてカタツムリの姿がわかりました。一緒に映り込んだスケールと比べると殻の大きさが1.5ミリくらいの小さなカタツムリが写っていました。小さないのちが懸命に生きている姿に心が動かされました。