園長ブログ

赤ちゃん学会 8

2013/06/16

日本赤ちゃん学会第13回学術集会、2日目はラウンドテーブルとシンポジウムが行われました。参加したラウンドテーブルは「乳幼児の社会性」〜乳児からの保育における環境による乳幼児の発達の保障〜というテーマです。

子どもは三歳頃まで母親自身の手元で育てないとその子どもに悪い影響があるという考え方、いわゆる「3歳児神話」というのがあります。一方、近年の赤ちゃんの研究の進歩により、乳児から他の子どもをはじめ、様々な人と接することが、正常な発達を促すことがわかってきています。「乳児からの保育がどのように子どもの発達を促すのか」「子どもの発達における必要不可欠な環境とは」「乳児からの保育でどのように社会性が育まれるか」また、「発達障害を抱える子どもたちの発達をも保障できる環境とは」という視点で保育現場の日々の実践から発表してくださいました。発表者は、るんびに保育園、まみぃ保育園、幸輪保育園、井尻保育園の皆様です。

保育所保育指針や幼稚園教育要領には保育(教育)は「環境を通して行う」と書かれています。「保育所は(中略)環境を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている。 」(保育所保育指針)

「幼児と人やものとのかかわりが重要であることを踏まえ,物的・空間的環境を構成しなければならない。」「環境にかかわって幼児が主体性を十分に発揮して展開する生活を通して,望ましい方向に向かって幼児の発達を促すようにすること,すなわち「環境を通して行う教育」が基本となる」(幼稚園教育要領解説)とあるように子どもが主体的に環境に関わる、働きかけることが大切なのです。決して大人が一方的に教え込むことではありません。「教師主導の一方的な保育の展開ではなく,一人一人の幼児が教師の援助の下で主体性を発揮して活動を展開していくことができるような幼児の立場に立った保育の展開」(幼稚園教育要領解説)が必要です。

発表してくださった園はどの園も共通の理念のもと、物的環境、空間的環境、人的環境など、環境が子どもたちの発達にどう影響するかを重要視して保育を行っています。そして、異年齢の子どもの関わり、複数職員による保育教育という人的環境のもと、子ども一人一人の主体的自発的活動を大切にしています。その背景には子どもは自ら発達するという認識があるとおっしゃっていました。

保育の基本である環境を通した「子どもの主体的な生活」と「子どもの自発的遊び」を大切にされているということです。

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