子どもたちがさやから取り出した豆をゆでます。沸騰前の熱めのお湯に塩を少し入れました。子どもたちが「何それ?」と聞くので、「何だと思う?」と聞き返すと、砂糖とか塩とか答えるので、少しずつ味わってもらいました。口に入れてこちらを見てにこっとするので「わかった?」と聞くと、うんとうなずく子、「もっと塩ちょうだい!」と催促してくる子もありました。その頃には畑に行かずに園庭で遊んでいた子どもたちも集まって来て、みんなが塩を味わってみたいというので、そっちが忙しくなってしまいました。
そして、いよいよお鍋にまめを入れると、泡がくっついたり離れたり、自分で泡をふいているのもいました。「まめがお風呂でおならしてる」なんて言っている子どもがいました。普通に料理するときには、鍋の中でまめがどうなっているかなんて、あまりじっくり観察しないのですが、コンロと鍋に子どもが近づきすぎないように気をつけるつもりでいたら、自然に鍋に顔が近い位置にいました。結構お鍋の中っておもしろいものです。そのうち温度が上がってくると浮いてくるまめが増えたり、踊り出すのだっています。そんなことを子どもたちと楽しみながらも、鍋に触ったりしないように細心の注意を払わなければならず、神経を使います。
しばらくゆでたので、一つ食べてみたら意外とやわらかくなっていました。そのうえ噛むとやわらかい甘さが口に広がります。まめ独特のにおいはあまり感じられません。思わず、「おいしー!」と言ったら、「ぼくも食べたい、私も食べたい」という子がたくさん集まって来ました。さすが食べることには敏感に反応します。ゆで上がったまめをざるにあけて、流水であら熱を取ってからひと粒ずつ食べてみました。子どもたちも、「おいしい!」と喜んで食べていました。
収穫からゆでるところまで、いっしょにしてくれた5歳児の女の子2人と相談して、ゆで上がったまめの半分をもう一つのざるに入れ、園庭で遊んでいる友だちや先生に配って食べてもらうことに決めました。2人はざるを持って園庭を歩き回っては、得意げにみんなにまめを配っていました。
私の所には、たくさんの子どもたちが集まってきて、まめをせがみます。わたしが勧めても、「いらない」と言っていた子もいましたが、他の子どもたちが、あまりにも欲しがる様子を見ていたら、食べたくなったのか、「ちょうだい」と言いながら近づいて来たので、まめをあげると、「ありがとう」とおいしそうに食べていました。
少しだけですが、みんなでおいしくえんどう豆をいただくことができました。