今年もお寺の行事の一つ、経塚巡拝に参加しました。鞍馬山を取り囲むように設けられた経塚を一カ所ずつ巡ります。
経塚は、書写した経典を埋納したところです。如法経とか如法写経と言って、法華懺法という懺悔の行法を修した後に、心身清浄にて写経した法華経を埋納したのです。
朝9時に集合した人は、子ども2人を含む16名、道中の無事をお祈りしてから出発しました。前日までのはげしい雨がうそのように晴れ上がり、雲一つない青空が広がっています。見上げると、若葉が日差しに輝き、空の青に映えています。雨がほこりを洗い流してくれたからか、若葉も青空も透明感溢れる美しさです。天気予報は気温が高くなるという予報を出していましたが、朝の空気はひんやりとしていて気持ちが引き締まります。こんな日に山歩きができるなんてとても幸せです。ただ、全長12キロメートル、山を登ったり下りたりの行程は結構きついので、少しだけ不安はありましたが、そんな不安も青と緑の美しさがかき消してくれます。
参加した2人の子どもは小学校2年生の卒園児と当園の5歳児です。小学生は今回が初参加、園児は3回目です。子どもが複数になるとお互い励まし合える反面、どちらかが弱音を吐くと、2人ともくじけてしまう可能性もあります。出発から1時間半、向かいの山の尾根を目指して登る長い登りの途中で、ひとりが「足が痛い」「しんどい」と言い出しましたが、2人とも頑張って登り切りました。
心配していたのがヤマビル(山蛭)です。前日までにしっかりと雨が降っていて山に水分が多く、特に最初の山道は湿気の多いところなのでヒルが相当出てくるのではないかと心配していたら、思った通り蛭だらけでした。歩いている最中に足下を見たら、右足に3匹、左足に2匹といった具合にくっついていて、それを払い落としても20歩〜30歩進む間にまた登り付いてきているという状況でした。もちろん、足下を中心に吸血されにくいような対策は取っていましたが、ほおっておくとすぐに首筋位までのぼってくるので早めに払い落としていました。吸血されても特に害はないそうですが、出血がなかなか止まらないのでちょっと面倒です。しかしそんなにヤマビルがいたのは最初のじめじめした場所だけで、尾根道まで登り切ってしまえば、ヒルに悩まされることもありませんでした。