「人間は勝手なものです。」地域の皆様との会話では、そんなことを話してくださった方もありました。ありがたかったものが、感謝の心を忘れると、すぐにあたりまえになってしまうという話です。
ある村で、高齢者の通院が便利になるようにと、無料送迎バスを走らせたそうです。最初は涙を流さんばかりに喜んでいた人たちが、しばらくしてそれに慣れてしまうと、バスが来るのが遅いだとか、もっと本数を増やしてほしいだとか不満や要望が多く出てくるようになった。そんな話しを聞きました。最初は、とても「ありがたい」はずだった無料送迎バスが、だんだん「あたりまえ」になって、ついには不満まで飛び出すようになってしまったのでしょう。「ありがたい」が減って「あたりまえ」になってしまったのです。
よく言われることですが、「ありがたい」は「有ること難い」ですから、ここにこうしてあること、こうあることはとても難しいこと、希有なこと、だからありがたいのです。「ありがたい」の反対は「あたりまえ」なのだそうです。「あたりまえ」が増えると、「ありがたい」「ありがとう」は減ってゆきます。
当園のコンセプトブックに「ありがとうはしあわせ」と言うことばをあげています。心の底から「ありがたい」「ありがとう」と思えることが増えると、それがそのまま「しあわせ」が増えることにつながるのだと思います。
いつでも、どこでも、なにがあっても心の底から「ありがとう」と感じられることが増えれば、それだけ自分自身が幸せになれる。いつもそんな心構えでいたいものです。
いろいろな方が、いろいろなことを教えてくださいます。
ありがたいことです。