園長ブログ

組み体操

2011/09/14

当園では毎年の運動会に組み体操をしています。組み体操というと、一糸乱れぬ動きで、様々な形を作ってゆくことが美しく、価値とされていることも多いと思います。でも、当園の組み体操はそういったところにあまり価値をおいていません。大切にしたいのは、完成するまでに子どもたちが話し合って自分たちで作り上げるということです。

先生に言われて行ういわゆる集団行動の訓練をするのではなく、一人ひとりが活かされる集団でありたいと思うのです。

今年の組み体操をどんなふうにするのかは、ほとんど子どもたちが決定したようです。もちろん保育士も大まかなテーマを提示したり、少しアドバイスはしましたが、基本的には子どもたちが、ああでもない、こうでもないと言いながら相談し合って決めました。とてつもなく時間がかかりなかなか形にならなかったそうですが、保育士は「きっとステキにできる!」と子どもたちを信じて、じっと待ったそうです。

2人組の表現では一人が地面に手をつき、もう一人がその子の足を持ち上げる「手押し車」をしていた子もいましたし、かたぐるまをしていた子もいました。最後には7人〜8人のグループで、自分たちの干支である酉(鳥)戌(犬)亥(猪)を、表現しました。それぞれの動物の特徴をどうやって表すかずいぶん工夫したようです。鳥は、くちばしや羽を、犬はピンと立った耳やしっぽを、猪は牙やしっぽ、なんとお腹のしたには内蔵もあるのです。近所の猟師さんが猪を解体しているところを見ていた子がいて、そういう意見を出したのかもしれませんね。

みんなで話し合い、意見を出し合い、納得し、合意して一つのことを行う。そうして成し遂げることがうれしい。子どもたちには、そんな経験をたくさんしてほしいと思います。時には主張がぶつかることもあるでしょう、そのなかでお互いに譲り合ったり、矛の個が出した別の観点からの意見でまとまったりすることを経験してほしいと思います。

  1. 自分の思いを伝えること。
  2. 相手の思いを受け止めること。
  3. お互いに認め合い、みんなで一緒に力を合わせること。
  4. 決して暴力で解決しようとしないこと。

これをたくさん経験し、みんなが心と力を合わせて何かを成し遂げることのうれしさ、楽しさを感じてほしいと思っています。

この子たちが大人になったときに、そうなってほしい。そういう社会を築いてほしいと願うからです。

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