園長ブログ

狂言 1

2013/04/13

4月のこの時期、お寺では2週間にわたって花供養という法要が奉修されています。「花会式」「花供懺法会」とも言い、ご本尊に花を捧げて行う懺悔の法要です。古くは如法写経会という法会の前行という意味もあったそうですが、現在は独立した形で修されています。期間中、献茶や献花、箏曲をはじめとした音曲の奉納などが行われ、桜をはじめ様々な花が咲き木々も芽吹くうららかな春の山が一層華やかさを増します。

そんな奉納の一つに数年前から千本ゑんま堂大念佛狂言保存会の皆様が、千本ゑんま堂引接寺に伝わる念仏狂言を奉納していらっしゃいます。千本ゑんま堂の狂言については、以前のブログでもとりあげたので詳しくは書きませんが、起源は平安時代にまで遡る念仏狂言です。

その演目の一つに「舌切雀」があり、鞍馬で最初に行われた奉納公演の演目に入っていて、その時に当園の園児の中から希望者が雀の役で出演させていただきました。今年も、舌切雀を加え園児を誘っていただいたのです。例年の公演では演じられる演目は三つなのですが、それに舌切雀を加えていただいた形です。5歳児を対象に声をかけさせていただいたら15人中9人が参加してくださいました。

保存会の皆様にはとてもご配慮をいただきました。子どもたちが頭から雀のお面をかぶるのですが、お面が大きくて子どもたちの顔が見えないのはかわいそうだと考えてくださって、顔が見える形に作り変えてくださいました。そればかりではなく、子どもたちが自分で雀のお面を作る方が楽しいだろう。というところまでご配慮いただいたのです。もちろんお面を最初から全て子どもたちが作るのは難しいので、色を塗るといった簡単な方法でお面作りに関われるように、考慮してくださいました。

そこまで子どもたちに心を運んでいただいていることに、半ば驚くとともに感謝せずにはいられませんでした。ありがとうございます。

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