平成18年に宮城県の栗駒市の方からこの「義経桜」が奉納されました。栗駒市には判官の森と呼ばれる森があり、そこには義経の胴塚と言われている場所があります。その近くには、義経が馬の鞭として使っていた桜の枝を土にさしたのが根付いたという義経鞭桜という桜があるそうです。その桜なのかどうかは定かではありませんが、
「義経桜」という桜が鞍馬にやってきました。お寺ではそれを大事に育てていたそうです。ところが、ある日そのうちの一本が、人のいたずらか、鹿にかじられたのか、折れてしまって、1メートルくらいの棒を地面に立てたような姿になってしまいました。せっかく心を込めて奉納してくださった桜なのだから、なんとかもう一度芽を出さないものかと、鹿の被害に遭わなくて、条件の良い場所に移植して、毎日「元気になれよ」「頑張って芽を出してね」と声をかけ大事に育てたそうです。そうしてしばらくしたら、
一本の棒きれのようになった桜から芽が出てきて、すくすくと順調に育ったのです。なんか「義経鞭桜」みたいです。そうしているうちにずいぶん大きくなったので、昨年の冬に本殿前庭に植え替えたところ、今春、ついに花が咲いたのです。それにあわせるかのように、義経桜という名前のお菓子がお供えされたり、義経桜に関する問い合わせがあったりと、義経桜が少し話題に上るようになっているのだそうです。何だか少し不思議な気がします。