おいもが焼けるのを待つあいだ子どもたちは思い思いに遊んでいました。
毎年やきいもをするときに、天気が良ければ、虫眼鏡を使って日光を集めると紙が燃えるということを子どもたちと不思議が手います。「やきいもが焼けるまで新聞を読もう。字が小さくて見にくいから虫眼鏡がいるなー」といいながら虫眼鏡を取り出すという変な演出も加えて、新聞を読むふりをしながら、太陽光を新聞紙に集めてみました。その日は雲一つない快晴だったので、太陽パワー全開です。光を集めると、あっという間に煙が上がりました。
「あー!なんか燃えてる!」「せんせ、大変や!煙が出てるで!」新聞紙の異変に気がついた子どもたちが口々に言います。虫眼鏡を外してみると見事に新聞が焦げて穴があいています。「えっ?! なんでやろ?」と大げさに驚いてみせると、子どもたちも一生懸命考えています。「先生が火をつけたの?」と私の顔をのぞき込む子「なんでやろ?」と考え込む子もいます。そのうち「虫眼鏡を使ってるしや!」と誰かが言いだしたことをきっかけに、新聞紙から煙が出る様子をじっと見つめながら、「お日様の光が集まってる」と気づく子がいれば、「ほんまや、光が集まってるところはめっちゃあかるい。」とどんどんいろいろなことに気づいてゆきます。
どこで、子どもたちに説明しようか、しないでおこうか考えましたが、「お日様の光が集まるということは、暖かさも集まるのかなと」言ってしまいました。「そっかー!」と納得した様子の子も、まだ不思議そうな顔をしている子もいましたが、その後興味を持った子どもたちが自分たちでやってみたいと言ったので、危なくないように気をつけながら、一緒にやってみました。。実際に子どもがやってみると、うまく光が集まりません。なぜなのか考えていろいろやってみて、虫眼鏡の角度が適切ではなかったことに気づいていました。その過程で、虫眼鏡で集められた太陽の光が新聞紙の上で様々なかたちに変化することを発見していました。
私は、すぐに一つの答えにたどり着こうとしますが、子どもたちは試行錯誤する過程をひとつひとつ楽しんでいるのだと気づきました。
もちろんこの実験を、子どもたちだけでやってはいけないことは、しっかりと伝えました。