楽しかったお別れ遠足。みんなでお礼を言って博物館を後にしました。帰りの車の中では、みんな疲れて眠ってしまうかと思いましたが、楽しさはそのまま続きます。
卒園式でうたう歌の合唱がはじまりました。この子達と園で過ごすのもあとわずかと思うと、少し寂しくなると同時にいろいろな思い出が浮かんできます。この1年をふり返ってみても、みんなで力を合わせていろいろなことに取り組んできました。おとまりほいく、運動会に発表会、みんなで話し合い、みんなで決めて、力を合わせてきました。
最初は自己主張が強くてぶつかるだけだった話し合いも、他の人の意見をしっかりと聞くことの大切さにも気づいてきました。というより意見をぶつけ合うことを経験して、自然にそうできるようになってきたのかもしれません。おとなは、いつまでも先入観にとらわれ、わだかまりをかかえてしまいがちですが、その点子どもたちはとても素直です。
車内の歌声は卒園式の歌からいつの間にか替え歌になっていました。おもしろおかしい歌詞とメロディーを即興でつくって歌います。目に入ったものを単純に歌詞に取り込むので、私が頭をかいているのを見つけて♪園長先生が頭をかく〜♪と歌います。ちょっと遊ぼうと、頭をたたいてみたり、肩をたたいてみたり、いろいろなことをするたびに、いちいち歌にしてくれます。そんなことをしていたら、肩が凝っている自分に気づいて歌に関係なく肩をただいていたら、それもまた歌にしてくれました。
翌朝、ある5歳児の保護者にお目にかかったので、お別れ遠足が楽しかったことを話していたら、「うちの子どもが園長先生のこと心配していましたよ。」とおっしゃいます。「園長先生疲れたはるんかな?」「だって肩とかたたいたはったし・・・大丈夫かな?」と心配してくれていたようなのです。正直、驚きました。確かに私は少し疲れ気味で、肩をたたいていました。それを、こどもがちゃんと見て感じていたこと。ちょっとした仕草くらいのことから、「疲れてるのかな?」と私に思いを運んでくれていたのです。その話しを聞いて、とても暖かな気持ちになりました。ありがとう。
同時に、「子どもに心配かけて、どないすんねん?」とも思いました。