園長ブログ

変化 5

2013/03/04

鹿などの野生動物が増えたことで、マダニが増えてきたことを書きました。以前は子どもと草むらをかき分けて道なき道を進んだり、山に登ったり、斜面を滑ったりして遊んでいました。最近はマダニやヒルにくっつかれるので、肌の露出の少ない長袖、長ズボンを着て靴下の中にズボンの裾を入れるなどの対策をしています。今回、マダニが媒介する感染症、SFTSで亡くなった方があったことが確認され、散歩や山登りの方法を考え直した方が良いと思っています。

実際の所は、SFTSが急に拡大したのではなく、原因のわからなかったものが、わかるようになったということなのですが、やはり気をつけなくてはなりません。全く外に出なければ被害を防ぐことはできますが、全く現実的ではありません。

以前、マダニなど気にすることもなく遊ぶことができていた頃と比べると、散歩の環境はずいぶん変わりました。いろいろなことが変化します。その変化にどう対応するのか、よく考えた方が良さそうです。何を変えるべきなのか、何は変えてはいけないのか。見つめる必要があります。

最も大切なのは、子どもにとってどうなのか?子どもの発達にとってどうなのかという視点です。野山で遊ぶことは、身近な自然に興味を示し積極的に関わろうとする子どもの興味関心を満たす環境を構成すること、体力をつけることをはじめ様々な子どもの発達を促します。しかし、それらの発達の機会は他の方法を用いて提供できる事もあります。自然と関わることは自然環境が豊かな場所でしかできないわけではありません。都会の真ん中の保育園でも保育者の工夫次第でできる事はたくさんあります。逆に自然が豊かでもそれを活かす工夫をしなくてはその価値は半減します。
幼稚園教育要領解説には「幼児をただ遊ばせているだけでは,幼児の主体的な活動を促すことにはならない。」とあります。

子どもの発達という視点を忘れず、子どもが遂げたい発達を思う存分遂げられるよう、心を運び、工夫して環境を構成することが大切です。

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