鹿が原因で起こることは、山の緑の減少だけにとどまりません。困ったものも運んできます。その一つが「マダニ」です。
最近よく「マダニ」の媒介するウィルスについて報道されています。報道によると今までに5名の方が重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という病気で亡くなった事がわかりました。SFTSは2009年に中国で集団発生が報告され、2011年に原因となるウイルスが特定されました。日本では2013年1月にSFTSに感染して亡くなった方が初めて確認され、その後、同様の症例がないか厚生労働省が都道府県に報告を求めていたそうです。今まで見過ごされていた症例が注目されるようになったため急に症例が増加したように思うのかもしれません。
このSFTSの原因ウィルスがマダニの一種から見つかったため、マダニが媒介すると考えられているようです。
ただ、マダニにがついたから必ずSFTSに感染するわけでもありませんし、マダニが媒介する感染症は他にもあります。
鹿が増えると、鹿につくマダニも増えるのは当然のことです。ダニだけではなくヒルも増えました。以前は山の中に入ってもダニやヒルがつくことは滅多になかったのですが、近年は特に増えています。私自身山の中でダニやヒルに好かれ、何度もくっつかれました。
現在、当園で取っている対策は山に入るときは肌の露出が少ない長袖長ズボンを着用し、ズボンの裾は靴下の中に入れる。山に分け入るような散歩から帰ったときは、ダニなどがついていないか注意して、全身を注意してチェックすることです。
子どもたちが草をかき分けて進むようなところには近づかない方が良いのかもしれません。子どもたちの大好きな散歩の一つだけにとても残念です。
子どもたちが外で遊ぶ、その遊び方まで変化してきました。私たちはどう対処すれば良いのか、よく考える必要がありそうです。