園長ブログ

変化 3

2013/03/02

鹿が増えた原因は、天敵であるオオカミの絶滅、狩猟する人の減少、温暖化による積雪の減少などと言われています。様々な原因が複雑に絡み合って、様々な結果を生み、それがまた原因となって、次の結果を招く。そうしていろいろなことがつながっているはずです。

ところが、増えたから捕獲して減らせば良いと言う人がいます。確かにそれも必要なことではありますが、それだけですむほど単純なことではないと思います。現在の鹿の増加も、ともすると様々な人間の営みがその原因であることが多いのではないでしょうか。オオカミを絶滅させたことや、自然林を大規模に伐採し、商品価値が高いと思われた針葉樹ばかりをたくさん植林したことも関係しているかもしれません。

もちろん、全てのつながりが見えるわけでも、わかるわけではありません。だからこそ、最も大切にすべきことは何か?を心にとめておくことは忘れないようにしたいものです。

ついつい、目の前に迫ってくる問題だけを見て、それを何とかしようとしてしまいがちですが、深く、大きく、複雑なつながりに思いを馳せることなく、目に見える現象だけにとらわれる事には気をつけた方が良さそうです。このことは、何も自然現象に限ったことではありません。日々私たちの行うことについても、目の前で起こることだけを見るのではなく、何を目指し、どこを向いているのか、なんのためにそうするのか、遠いところを見つめる事を忘れずにいたいものです。しっかりとした基準を持ち、それに照らしてさまざまなことを考え判断する。それが、変化に対応するためにもっとも必要なことなのかもしれません。

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