5歳児たちは、この時期ほとんどの子が満6歳になっています。そう考えると「5歳児クラス」という区切りは何か変ですよね。先日、内科検診がありました。子どもたちが診察していただく際に保育士がお医者様に「5歳児です」というと、子どもは「ちがうで6歳やで!」といいます。「○○歳児クラス」という大人が勝手に決めた枠組みは「おかしいんちゃうん?」と子どもに言われているように思いました。私たち大人が子どもだからわからないだろうけど、5歳児なんだから5歳児なの。なんて思い込まず、「ぼくはぼく、わたしはわたしだよ。一人ひとりちがうし、ひとり一人をちゃんとみてよ。」という子どもたちの声にしっかりと耳を傾け、できるだけ固定概念に縛られないようにして、子どもひとり一人を見て行けると良いと思います。
保育所保育指針の子どもの発達を示した発達過程に「おおむね6歳」という項目があるので、話し合うなど、みんなで力を合わせて行うといったことに関する部分を見てみます。
仲間の意思を大切にしようとし、役割の分担が生まれるような協同遊びやごっこ遊びを行い、満足するまで取り組もうとする。様々な知識や経験を生かし、創意工夫を重ね、遊びを発展させる(保育所保育指針第2章子どもの発達 2発達過程(8)おおむね6歳)
相手の心に思いを馳せ、何を思っているのか互いに考え合い、想いを伝え受けとめるからこそ役割分担する事ができるのでしょう。言葉で表すと複雑ですが、普通に育てば、子どもたちは自然にそれができるのです。
友達の主張に耳を傾け、共感したり意見を言い合うこととともに、自分の主張を一歩譲って仲間と協調したり、意見を調整しながら仲間の中で合意を得ていくといった経験も重要となります。 【自主と協調の態度】 (解説)
自分自身の内面への思考が進み、自意識が高まるとともに、自分とは異なる身近な人の存在や、それぞれの人の特性や持ち味などに気付いていきます。【思考力と自立心の高まり】 (解説)
自意識の高まりとともに、自分の存在、他の人の存在どちらも大切だということがわかってくる。友だちの意見を受けとめ、共感し、意見を言い合う、その中で自分を主張するだけでなく一歩譲って協調したり意見を調整できるようになるのです。
まさに話し合いをしていた子どもたちの姿だったと思います。たどたどしかったり、ぶつかる部分ももちろんありますが、受けとめること共感すること、自分の意見も主張するが譲るところは譲る。社会の一員となる上で大切な能力をこの頃に身につけてゆくのですから、そこが伸ばせるよう、ひとり一人丁寧に関わりたいと思います。