元外交官 東郷和彦氏へのインタビュー記事「対話のカタチ」2(京都新聞1月4日)を読んで、感じたことを書かせていただいています。理解すること、理解しようと努力し続けることの大切さを改めて心に思いました。そこから信頼関係が生まれてくるのですね。
東郷氏は祖父から三代続く外交官だそうです。東郷氏の祖父が大切にしていたことが取り上げられていました。それは「51対49」の哲学です。外交官は交渉の最前線にいて、相手の主張の本質や相手が譲れない線を一番よく知る立場にいます。相手に51を譲り、こちらは49で満足する気持ちで国内を説得することが、長い目で自国にとって一番良い結果になるという信念なのだそうです。
自分が51ではなく相手が51なのですね。どうしても、自分の考えを押し付けようとしたり、相手を自分の思うように動かそうとしてしまいます。それは「我」の自分が、我欲を通したいためにそうしてしまうからです。51どころか、80、90までも自分の思うようにしたくなります。でも、「我」の自分に流されているかぎりは、何も変わらないのでしょう。先ずは相手を受けとめ、理解しようとする努力が必要なのでしょう。そこから始まるのです。
子どもも、大人の思うようにしようなどと思ったら、無理が生じます。かといって放任してしまうと育つことができません。その子を丸ごと信じて受けとめ、その子が最も輝けるところを、磨き出せるようにサポートしたいものです。