「相手を理解すること、それが外交において一番重要なこと」元外交官の東郷和彦氏は言います。
外交交渉と聞くと、自国の利益のために相手に条件をのませるといたイメージが強かったのですが、そうではなく相手を理解することが最も大切だというのです。当然といえば当然なのかもしれませんが、相手を本当に理解するというのはとても難しいことだと思います。相手を理解することは相手を受けとめることから始まるのでしょう。
自らが心を固く閉ざして相手を理解しようとせず、自分の考えだけを押し付ければ、相手も心を閉ざして主張するだけになってしまうかもしれません。そうなればただのぶつかり合いです。そこから良いものが生まれてくることは少ないでしょう。外交などといわず、日常生活でもよくあることです。
どうしても思い込みにとらわれている自分がいて、相手にもそれをさせようとしてしまうのです。それは、オレが(我)、わたしが(我)という「我欲」にとらわれ、動かされている自分がそうしているのではないでしょうか。
かといって、自分を殺して相手に合わせるのではなく、「我」にとらわれない自分の本心に素直でいる。素直な心で、相手を受けとめる、受けとめよう、理解しようとする姿勢をもつことができると良いと思います。
本心の自分と「我」にとらわれている自分、今の自分はどちらの自分なのか、いつも自分に問い続けていると、本心の自分がわかってくるのかもしれません。本心の自分で「受けとめよう、理解しよう」を実践してゆきたいものです。