園長ブログ

触るということ 2

2012/12/22

赤ちゃんはお母さんの中の中で様々な動きをしているそうです。驚いたようにびくっとする動き、しゃっくり、首を後ろに曲げる、顔を回す、手で顔を触ることなどをはじめ、たくさん動いています。

一番早く出現する感覚は触覚で、妊娠8週くらいから動くことで触覚を使っているのです。次に使い出すのが聴覚ですが、これは20週を過ぎてから機能するらしく、胎児の期間のほぼ半分は触覚だけで生きているといえます。

おなかのなかでは自分の指を口にもってゆく、いわゆる指しゃぶりもしています。この指しゃぶりというのは、当たり前ですが口と指が触れることです。口も指先もとても敏感な部分であり、触覚が最も早く出現する場所なのだそうです。指しゃぶりをすることで口で指を知り、指で口を知る、それが自分の身体を知ることにつながってゆくのかもしれません。また、指しゃぶりをよくする手が利き手になることが多いと言うことも知りました。

最近は技術の進歩で、お腹の中の胎児の様子が3Dエコー(立体画像)や4Dエコー(立体動画)で見ることができ、赤ちゃんの動きまでよくわかるようですが、胎児を研究するために未熟児を観察するという方法もあると知りました。赤ちゃんは早く生まれてしまっても、NICU(新生児集中治療室)でお母さんのおなかのなかとほぼ同じ発達をたどるのです。そんな赤ちゃんは、を観察していると、自分の身体のいたるところを触っています。頭から足へと触ってゆく傾向があるそうです。もちろん口も触っています。

小西先生は口は感覚器官だとおっしゃっていました。なのに、感覚器官としての口の役割は、あまり保育では活かされていないのではないかという問いかけをしてくださいました。

確かに「五感をしっかりと使う」といっても、触覚というと、すぐに手、指先と結びつけて考えてしまいますが、触覚は全身の感覚です。しかし、口となると何でもかんでも口に入れるのは衛生的でない。という思いが先立ってしまって、積極的に保育に取り入れることを躊躇しがちです。口をどう使うのか。ある程度衛生的に口で触ることをたくさんさせてあげるような環境があると良いかもしれません。

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