おひるねは、休息を取るために必要です。しかし、どの程度の休息が必要なのかは子どもによっても、その時の子どもの体調によって異なります。保育所保育指針の解説には、「積極的に家庭との情報交換を行いながら、24時間を見据えた子どもの生活時間を考慮し、子どもの食事、睡眠、休息、遊びなどが無理なく営まれるようにしていきます。そして、一人一人の生活に合わせ、時には柔軟な対応をとりながら、家庭と協力して子どもの生活や発達過程にふさわしい生活リズムが作られるようにしていきます。 」とあります。
しかし、それは大人が毎日子どもの1日の生活スケジュールを立てて、子どもにその通りにさせることではありません。
最も理想的だと考えるのは、子どもが自分で自分のことをよくわかり、「僕は今日は疲れているから、しっかり寝よう。」「私はあまり疲れていないから、寝なくても大丈夫。」と自分で判断して、決められると良いと思います。身体を休めることはとても大切なことだと子どもが理解できるような取り組みを普段から行います。そして、それがわかった上で、身体を休める方法はそれぞれの子どもが自分の体調に合わせて選ぶことができると良いのだと思います。また、他の人のことを考えるという意味で、寝ない子は寝ている子の邪魔をしないように静かにしていることは必要です。自分のこと、友だちのことなどを考え合わせて自分がどうするかを決める力をつけて欲しいと思うのです。
こう言うと、「そんなことをしていたら子どもが好き勝手なことばかりして、わがままになってしまう。」「生活のリズムが乱れてしまう」という声が聞こえてきそうです。生活のリズムについては、子どもの生活24時間を視野に入れれば、子どもによって休息の仕方が違うべきであることは、自明のことです。
はたして、子どもは好き勝手をしてわがままになるでしょうか?そういうこともあるかもしれませんし、そんなことはないともいえます。実際にこどもが自分で休息の方法を選ぶという方法で保育していらっしゃる保育園もあります。子どもはちゃんとその能力を持っているのです。そんな子どもの力を信じて見守ることが大切なのだと思います。
子どもが自立して、自分をわかったうえで自分で考え、主体的に生きてゆくことができるためには、私たちは何をすべきなのか?原点に戻って考えたいと思います。
子どもが自分の人生の主人公になるために、自立して欲しいからです。