心が動くからこそ、表現したい何かが生まれます。特に子どもは、わくわくするような楽しいことが表したい!伝えたい!に結びつくような気がします。そして、それをどうして表そうかと一生懸命取り組むことがまた楽しみや充実感につながるのだと思います。上手に描けたとかいう問題ではありません。結果だけを評価してしまうと、それを気にして「うまく描けないから描かない」となってしまいます。無理に描かせても嫌になるだけではないのでしょうか。
保育所保育指針第3章 保育の内容 1.保育のねらい及び内容 (2)教育に関わるねらい及び内容の「表現」に関する内容(子どもが経験すること)には次のような項目があげられています。
(イ)内容
①水、砂、土、紙、粘土など様々な素材に触れて楽しむ。
②保育士等と一緒に歌ったり、手遊びをしたり、リズムに合わせて体を動かしたりして遊ぶ。
③生活の中で様々な音、色、形、手触り、動き、味、香りなどに気付いたり、感じたりして楽しむ。
④生活の中で様々な出来事に触れ、イメージを豊かにする。
⑤様々な出来事の中で、感動したことを伝え合う楽しさを味わう。
⑥感じたこと、考えたことなどを音や動きなどで表現したり、自由にかいたり、つくったりする。
⑦いろいろな素材や用具に親しみ、工夫して遊ぶ。
⑧ 音楽に親しみ、歌を歌ったり、簡単なリズム楽器を使ったりする楽しさを味わう。
⑨ かいたり、つくったりすることを楽しみ、それを遊びに使ったり、飾ったりする。
⑩ 自分のイメージを動きや言葉などで表現したり、演じて遊んだりする楽しさを味わう。
「楽しむ」や「楽しさを味わう」という語がいかに多いことでしょう。子どもが自発的主体的に楽しんで取り組むことの大切さがよくわかります。わくわくしながら取り組んだ経験、おもしろくて一生懸命にやったこと、そんなうれしさで心が満たされてはじめてそのうれしさがあふれ出て表現されるのでしょう。物語の登場人物になったり、へとへとになるまで思いっきり遊んだり、子どもたちが心ゆくまでわくわく体験ができるように、環境を整えたいものです。