京都駅ビル15周年の記念企画でレゴブロック展示、体験イベントが行われていて、レゴブロック京都駅ビルモデルを見たくて京都駅ビルまで行きました。
駅ビルモデルを見ていたら、別の会場にレゴブロックで作った水族館があるというインフォメーションがあったので、せっかくだから見に行きました。会場に一歩足を踏み入れた途端、目に飛び込んできたのがレゴブロックでできた全長4メートルほどの巨大なジンベエザメでした。
まず、思ったのが、どうやって自重を支えているのだろうということです。なんてロマンがないのでしょう。でもそれくらい大きく、質感に溢れているのです。使ったブロックの数は10万ピース、駅ビルモデルよりは少ないのですが、人工物ではなく、生き物の曲線を直線的なブロックを使ってうまく表現してあります。
このジンベエザメを作ったのは、直江 和由(なおえ かずよし)さん。直江さんはイベントなどに展示するためのモデルを制作するレゴジャパン唯一のレゴモデルビルダーです。
会場でこのジンベエザメを作る過程を収録した映像が流されていたので、見入ってしまいました。驚いたのは、「設計図は全て直江さんの頭の中にある。」という説明でした。もちろんラフなスケッチや実物大の簡単な絵は描いていらっしゃいましたが、設計図というものではありませんでした。解説で直江さんは「資料を長い時間かけて見る」とおっしゃっていました。つまり、対象まで詳しくしっかりと見つめるということです。しっかりと見つめることで全体から細部までのイメージを頭の中で作り上げてゆかれるのだと思います。
ジンベエザメなど動きのあるものはその動き方も含めてじっくりと見て、対象物が持っている見えない姿や性質をとらえ、イメージ化するということなのだと思います。当然ですが形態と機能は密接につながっています。ジンベエザメが泳ぐ姿をじっくりと見るからこそ、イメージもできあがり、形に結びつくのだと思います。そのものの本質をとらえようとするということなのかもしれません。
保育でもしっかりと見ることが必要です。今、目の前のこの子はどうなのか?何を必要としているのか、いないのか?ひとり一人の側に寄り添って、その子のことを見て、観て理解しようとする心構えがなくては、観えるはずがありません。直江さんは建築物のモデルなども多く手がけていらっしゃいますが、「じっくりと見ているうちに、その建物を作った人の気持ちがわかるようになる。」とおっしゃっていました。
心を尽くして観ることの大切さを思い直しました。