顔情報を処理するためのプロセスがあるそうです。まずは一次処理、顔を見つけるプロセスです。そういえば、普段でもいろいろなものを見ている中で顔に見える物ってたくさんあります。丸い形が目、鼻、口のように並んでいるだけで顔に見えたりします。私たちは無意識のうちにいろいろなものに顔を見つけようとしているかもしれません。このどこか顔みたいと思って見ることが、この一次処理にあたるのだと思います。
そして、holistic processingといって顔を顔として顔全体でとらえることが必要というか、顔は全体として見るようになっています。
こんなことをしてみると、私たちは顔を部分ではなく、全体としてとらえているのだと言うことがよくわかるそうです。
2人の有名人、AさんとBさんの顔写真を鼻の辺りで上下に切り分けて、Aさんの上半分(目の部分)とBさんの下半分(口の部分)をくっつけます。AさんとBさんの顔を上半分と下半分で合成するのです。Aさんの目の部分とBさんの口の部分を少しずらしてく置くと、Aさんの目だ、Bさんの口だとわかるのですが、鼻や輪郭など合わせて、ひとつの顔にしてしまうと、全く別の人の顔に見えてしまい、ずらして置いたときほどAさんの目、Bさんの口だとはわかりにくくなります。
このことは、顔を認識するときは、全体として見ているということです。それぞれの部分ではなく、全体として認識するのが、顔認識の特徴だということがわかります。
そうして、顔を全体と把握した上で、違う人の顔が違う顔だと認識するのだそうです。
私たちにとって顔を見ることが、他のものを見ることと異なるということは、全く考えてもいなかっただけに、山口真美 中央大学教授の講義の内容はとても新鮮で、興味を持ちました。