園長ブログ

ことば 〜音声〜

2012/09/27

言語を獲得するためには、音を聞くこと聞き分けることが必要です。そして、その能力は1歳までには母語に特徴的な子音を知覚することができるようになっています。ですから、子どものことばの発達には、生まれてからどんなことばを聞いているかが重要になってくる。環境が大きな影響を与えるのです。

ことばを使う上では聞くことに加えて音を出すことが必要になってきます。赤ちゃんは生まれてすぐに産声をあげます。それからも泣き声、呼吸に伴う音、ゲップなど、様々な音を出しています。

2ヶ月ごろから4ヶ月ごろまでは、クーイングと呼ばれる母音をつかった音を出し、4ヶ月ごろになるとのどのや口の中の形が変わって音が共鳴する空間ができるため、声帯で作られた音がのどや口の中で共鳴するようになるので、笑い声も立てるようになります。笑うことは手足を動かすという全身運動をともなって、息を短く区切って出すなど、息を調節する練習をしているようです。全身の運動が相互に関係しあって、発語できるようになってくるのです。

こうして声が出るようになると、声を使って遊ぶようになります。これはもちろんただ遊んでいるだけではなく、次の発達のための準備をしているのです。こうして喉や口の形ができてくると、徐々に子音が出せるようになり、5ヶ月ごろには過渡期の喃語が現れはじめ、7ヶ月ごろに手の動きと笑いが連携するようになると喃語が現れ、8ヶ月ごろには、基準喃語といわれるものが確立してきます。

そして、10ヶ月ごろには、1音節の長さが大人のそれに近いなどの特徴を持ったことばを話すための前段階のような喃語が現れます。
そして、1歳前後から意味のあることばを話すようになるのです。

赤ちゃんは、自分の発達に合わせて、音を聞き分けること、全身を使い懸命に努力をして、(赤ちゃんがそう思っているかどうかはわかりませんが)言語を獲得していくのですね。

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