見守るというのは、子どもを放任しておくことではなく、子どもが好き勝手にすれば良いというものではありません。まずは、子どもをしっかりと見るこが大切だと思います。そこから出発です。年齢や性別、しょうがいの有無といったことにとらわれ過ぎることなく、今、目の前にいる「この子」をできるだけわかろうと努力することです。一人ひとりみんな違うのですから、その違いをその子の特徴としてとらえ、一人一人が今を最もよく生きるには何が必要なのかを考えてゆくことです。
保育所保育指針にも「一人一人の子どもの心身の状態を把握しながら、その発達の援助を行うことが必要である。」(第2章第2子どもの発達)とあります。
背格好も顔も声も、好きなことも嫌いなことも、得意なことも苦手なこともみんなそれぞれに違う。早く育つ子もいれば、ゆっくり育つもいる。歩くのが難しくても、話すことが難しくても、その子はその子のいのちを精いっぱい生きているのです。その子自身を見ることなく、何歳児だからということだけにこだわることは全く意味がありません。というより、一人一人の発達を保証するという観点からすると、むしろマイナスに働くこともあります。
子どもが辿る発達の道筋やその順序性には共通のものがあります。 しかし、満3歳になった子がみんな同じではないことは誰でもわかります。
保育所保育指針では、子どもの発達課程を8つに分けて説明していますが、各区分の説明にはいる前に次のように書かれています。
子どもの発達過程は、おおむね次に示す8つの区分としてとらえられる。ただし、この区分は、同年齢の子どもの均一的な発達の基準ではなく、一人一人の子どもの発達過程としてとらえるべきものである。また、様々な条件により、子どもに発 達上の課題や保 育所の生活になじみにくいなどの状態が見られても、保育士等は、子ども自身の力を十分に認め、一人一人の発達過程や心身の 状態に応じた適切な援助及び環境構成を行うことが重要である。
何歳児だから!ではなくて一人ひとりがをしっかりと見つめてゆきたいものです。