園長ブログ

見る。守る。

2012/09/16

子どもは、自ら主体的に生きている。しかも赤ちゃんのときからです。ですから、私たち大人は子どもが主体的に生きることを「応援する」ことが大切です。私たちは赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時は、赤ちゃんが主体的に生きることを保証しているではありませんか。たとえお母さんといえども、自分自身のの体の中にいる赤ちゃんをどうこうすることなできません。赤ちゃんが自分の動きたいように動き、音を聞き、光を感じ、味だって感じながら、ちゃんと自分で育っているのです。

出産というと、お母さんががんばって産むものだと思いがちですが、赤ちゃんも自分で外の世界に出ようと頑張っているのだそうです。お母さんと赤ちゃんの共同作業なのですね。お母さんの陣痛が始まるきっかけは、赤ちゃんが作るそうです。お母さんが産み出すというより、赤ちゃんが、「よし、今から外の世界に向けて出発だ!お母さん手伝ってね!」と言って出発のボタンを押しているかのようです。

うちの次男はせっかちだったのか、ずいぶんと早い時期にその発射ボタンを押したようです。陣痛を抑制する薬なども使いましたが、結局、早く外に出たかったようで32週で生まれました。私は、次男のおかげで、しばらくの間NICUを見学することができて、ラッキーと思ったのを思い出します。いつ生まれてくるかだって赤ちゃんが決めていて、それを大人が止めようと思っても止められないのです。

生まれてくるまでは赤ちゃんの主体性に任せている(任せざるを得ないのですが)のに、なぜ生まれた途端にそのことを忘れてしまうのでしょう。もちろん赤ちゃんは一人では生きてゆけないので、授乳をはじめいろいろとお世話をしてあげる必要があります。守ってあげる必要があるのです。それと同時に赤ちゃんをしっかりと見つめることも大切です。赤ちゃんのしていることにはすべて意味があるからです。それはお腹の中でそうだったように、赤ちゃんが自分で育つためにしていることなのです。ですから、この子は今どんな発達をしようとしているのだろうという目で見ると良いと思います。この、目の前にいる「この子」の姿をしっかりと見つめることなしに、「この子」にとって何が必要なのかはわかりません。主体的に生きている子どもを一人の人格として尊重し、その子の今を見ることで、どう応援してあげれば良いかがわかるのです。見るとと守ること、見守ることが大切なのですね。

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