日本赤ちゃん学会理事長の小西行郎先生の講義を聞いて、感じたことを書いてきました。私の理解不足や誤解などから不正確なところがあったかもしれません。ごめんなさい。
お話を聞いて最も印象に残ったのは、「赤ちゃんは一人の人間として主体的に生きている」ということです。しかも生まれる前から、受精の瞬間からです。そんなこと当たり前じゃないかと言われるかもしれません。そうです。観念的にはわかっているつもりなのですが、赤ちゃんが自ら「主体的に」生きているという事実を様々な事例や研究を示して説明していただいたことで、より現実のものとして感じることができました。
ですから、赤ちゃんの主体性を大切にする必要があるのです。赤ちゃんは自分の発達に必要なことが何かがちゃんとわかっていて、その時期になれば周囲にそれを要求してきます。それに適切に応えてあげれば良いのです。だってお腹の中にいる時からそうなのですから・・・
育児というと、大人が何かをしてあげなくては!とか、しつけなくては!と大人から一方的に赤ちゃんを一定の枠にはめようとしてしまいがちです。それよりも、この子は今、どんな発達がしたいのだろう?という目で赤ちゃんをしっかりと見つめ、目の前の一人ひとりの赤ちゃんに応じた対応をしてあげれば良いのです。大人の思うようにしようと思って、それがうまくいかないからといってイライラするよりも、どうすれば、今、この子と楽しめるかな。と考えた方がずっと楽しいと思います。
小西先生が「今の育児の問題は、大人がやりすぎることだ」とおっしゃっていました。子どもが一人の人間として主体的に生きていることを尊重し、子どもが自分で育ってゆくこと、生きてゆくことを尊重してゆきたいと思います。
1歳未満の赤ちゃんが話さないのはなぜか?話せないのか、話さないのか?
この問いに対して、小西先生は「この時期はノンバーバルでつながりたい時期なのだ」とおっしゃっていました。この時期の赤ちゃんは伝えたいことをいっぱい持っているし、いっぱいつながりたいと思っている。しかしその方法は、ことばを通してではなく、運動、動くことにを通してつながりたいということなのだそうです。ですから話しかけるだけではなく、それよりも動くことを通してつながる。動作を共有する。いっそに遊ぶことが大切なのです。動作を使って育ちたい、学習したい時期なのです。だからその欲求を適切に満たしてあげれば良いのです。
動作を使って学習するものにおもちゃがありますが、先生は、「良いおもちゃは存在しない」とおっしゃっていました。おもちゃの良し悪しは、その使い方で決まるということなのです。おもちゃを介してお母さんとつながること。お互いが共有しあって遊ぶことが、話し始める前には大切だということです。
そう考えたときには、大人も心から楽しんで遊ぶ方が良いと思います。義務感で遊んでいては、一緒に遊ぼうと真剣に誘いかけてくる赤ちゃんに対して失礼だし、第一楽しくありません。
赤ちゃん学に出会うことで、自分の子ども観をもう一度見直す機会となりましたし、子どもが主体的に育ってゆけるよう、一人ひとりの今を大切に保育してゆこうという思いを強くしました。
*赤ちゃん学について詳しく知りたい方は、Googleで「あかちゃんきゅー」と検索して見てください。