文部科学省 国立教育政策研究所の『OECD生徒の学習到達度調査 2012 年調査国際結果の要約』には「各分野の定義」が示されています。
数学的リテラシー
数学的リテラシーとは、様々な文脈の中で定式化し、数学を適用し、解釈する個人の能力であり、数学的に推論し、数学的な概念・手順・事実・ツールを使って事象を記述し、説明し、予測する力を含む。これは、個人が世界において数学が果たす役割を認識し、建設的で積極的、思慮深い市民に必要な確固たる基礎に基づく判断と決定を下す助けとなるものである。
読解力
読解力とは、自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会 に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考し、これに取り組む能力である。
科学的リテラシー
科学的リテラシーは、個々人の次の能力に注目する。
・疑問を認識し、新しい知識を獲得し、科学的な事象を説明し、科学が関連する諸問題について証拠に基づいた結論を導き出すための科学的知識とその活用。
・科学の特徴的な諸側面を人間の知識と探究の一形態として理解すること。
・科学とテクノロジーが我々の物質的、知的、文化的環境をいかに形作っているかを認識すること。
・思慮深い一市民として、科学的な考えを持ち、科学が関連する諸問題に、自ら進んで関わること。
「個人が世界において数学が果たす役割を認識し」とありますが、数学というと、どうも公式を覚える。計算問題を解くというイメージが先行してしまいます。自分の学生時代の経験がそうさせるのでしょうか。数学は論理的思考力や抽象的な思考力などを使って世界を理解することと考えるとよいのでしょう。
数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシー、どれにも共通しているのが、市民や社会ということです。数学的リテラシーでは「建設的で積極的、思慮深い市民に必要な確固たる基礎に基づく判断と決定を下す助けとなるものである。」としており、数学的リテラシーは思慮深い市民に必要な能力なのです。読解力では「効果的に社会に参加するために」とあります。社会に参加するための読解力なのです。「思慮深い一市民」であるために、科学的な考えを持ち、科学が関連する諸問題に、自ら進んで関わること。なのです。
*太字部分は 『OECD 生徒の学習到達度調査 〜2012 年調査国際結果の要約〜』文部科学省 国立教育政策研究所 からの引用です