人間の身体って不思議です。歯はそんなに変化するものではないと思っていますが、歯も動きます。だから、矯正ができるのですが、歯の位置や高さが、考えている以上に早く変わります。前にも書きましたが、1本の歯を失うと、その隣の歯が傾いていきますし、かみ合っていた歯は長くなるそうです。
実は私も、かみ合わせが悪くて治療中なのですが、その治療方法が樹脂製のマウスピースを上顎に装着して、少しずつ歯を動かしてゆくのです。マウスピースは取り外し可能なので、食事の時に取り外して、着けるのを忘れてしまうことがあります。そのまま寝てしまって、翌朝マウスピースを装着すると、少し入りにくく違和感を伴います。マウスピースを外している間に自分の歯が動いているということなのだと思います。たった一晩で変わってしまうのには驚きます。マウスピースをしばらく着けていた後は、安定して噛むことができます。噛んだときに同じところで噛んでいる感覚というか、意識しないで口を閉じたときに、上の歯と下の歯の同じところが当たっているという感じです。治療を始める前は、噛んだときにどこで噛んで良いのかわからない感じでした。このマウスピースを少しずつ調整しながら治療を進めてゆきます。
うまく噛めなくなった原因には、ついつい歯をくいしばってしまったり、寝ている間に強く歯ぎしりをしているからだそうです。歯を食いしばることは大切なことですが、常にそういう状態だと、かみ合わせのバランスが崩れます。自分の口がどうなっているか、時々意識をしてみると、思わぬ時に強めに噛んでいることが多いのです。例えば、パソコンをさわっているとき、本を読んでいるとき、軽い力でできる事なのに、強めに噛んでいることがあります。それに気がついたときは力を抜くようにしていますが、かなり頻繁に噛んでいます。寝ている間の歯ぎしりはどうしようもありませんが、人は自分の体重くらいの力で噛んでいるそうなので、そんな力で噛みながら歯ぎしりすれば、固い歯もすり減ってしまうのはわかりますね。
もちろんくいしばるのが悪いことではありません。椅子に腰掛けた状態で、口を開けたまま立ち上がるのは、力が入らない気がします。力を出すとき、がんばるときは歯を食いしばらなくてはならないのです。しっかりとくいしばって力が出せるように、がんばれるように、歯も整えておくのが良いと思います。