2013年 12月

セッション

2013/12/08

ある日、男性保育士の1人が「あれは、保育ですよ!」「ひとり1人の力を見極め、その人の力の120パーセントの課題に取り組むんです!そして、みんながお互いのことを考え、自分のできる範囲で精一杯頑張り、力を合わせて一つの曲を演奏するんです!」と興奮気味に話してくれました。最初はなんの話かと思いましたが、ギターのことだとわかるにはそんなに時間はかかりませんでした。彼の知り合いが開催しているギターサロンに参加した感想を伝えてくれたのでした。

ギターサロンというのは、ギターのレッスンのようですが、普通のレッスンとはちょっと違うようです。主宰しているのは和田直樹さんという若くて世界的に活躍しているギタリストです。「和田直樹ギターサロン」で検索すると、ブログやPVで詳しいプロフィールやギターサロンについて知ることができます。

何がレッスンと違うのでしょう。私の浅い理解の範囲で説明してみましょう。レッスンというと、先生がいて、課題曲があって、先生に教えてもらってギターを弾いて、練習を重ねて、また教えてもらって、練習するといったイメージです。もちろん自分のレベルに合わせて指導していただけるので、そういう意味では良いのでしょうけれど、レッスンというと、私などはどうしても一生懸命練習するというイメージばかりが先行してしまいます。知識や技術が、先生から生徒に教え込まれるというイメージです。

ところが、この和田直樹ギターサロンは、その一番の目的が、「みんなでセッションする」ことなのだそうです。つまりひとりで練習して技術を磨くことが一番の目的ではないのです。「せっかくみんなで集まっているんだから、みんなで一つの曲を演奏しよう!」なのです。確かに練習は自分ひとりでできますが、セッションはひとりではできません。

でも、ひとことで「みんなでセッション」といっても、その場には様々なレベルの人がいます。そう簡単にセッションできるのでしょうか?

徘徊模擬訓練 2

2013/12/07

徘徊模擬訓練の一番のポイントは、徘徊しているかもしれない人にどのように声をかけるかです。急に後ろから声をかけたり、複数の人で取り囲むようにしたり、早口で追い立てるように話したりすると、驚いてしまうことがあるので、近づくのは1人で前から、散歩途中に挨拶するように、あくまでも自然に声を掛けることが大切です。できるだけ不安を与えないようにする必要があるのです。そのためにも、例えば、自分より背の低い人であれば、相手の目線まで姿勢を低くするとか、穏やかにゆっくり話すとか、子どもに対するときと同じような接し方をするのが良いようです。声のかけ方を学ぶのに、福祉施設の方が寸劇でわかりやすく説明してくださいました。2人で演じてくださったのですが、リアルな部分もあり、少しおもしろくしてある部分もあり、とてもわかりやすく楽しめました。あとは話を受けとめてあげて、その人の希望に添うように、かつ危険がないよう自宅に帰れるように考えるのですが、全部自分で解決しようとしてしまうのではなく、様々なところに助けを求めることが大切だと聞きました。警察、消防、行政、地域包括支援センターなど様々な機関とその役割、連絡方法をを知っている、こういうときに役に立ちます。

一通り学んだ後は、いよいよ実践です。北と南の2コースに分かれて行われました。徘徊者役の人が、決まったコースを歩くので、私たちのようにあらかじめ予習した人たちが、声を掛けるのです。実際に声を掛けるのは少しどぎまぎするものです。予習をしたばかりで、訓練だとわかっていても、どぎまぎするのですから、本当にそういう人に出会ったときにちゃんと声が掛けられるのか不安になりました。私たちはあらかじめ訓練だと知っていますが、コンビニエンスストアで買い物中の人や、畑仕事をしている人など見ず知らずの人に、徘徊者役の人が「家に帰りたいんやけど、家がどこかわからへんねん。」といった声がけをするというシュチュエーションもあります。多くの人が、親切に対応してくださったと聞きました。もちろんそうでもないケースももちろんあります。歩きながら、ご自宅の玄関を掃いていらっしゃる方に、徘徊者役の人が「自分の家がわからない」と声を掛けられたときに、掃除をしていた方がとても怪訝そうな顔をされたこともありました。それはそうかもしれません。何も知らなかったら、変なおじさんが変なことを言っていると思うかもしれません。だからこそ、認知症や徘徊ということをできるだけ多くの方がよく知っていると良いのでしょう。そういったことも今回の訓練の目的の一つだったのですから。

ぬくもり

2013/12/07

今年は3歳児が、お寺の畑でおいも掘りをさせていただき、そのおいもを使ってクッキングをする事にしました。
たくさんのおいもが掘れたので、いつもお世話になっているお寺の方たちも食べてもらえないかなぁ、みんなで食べられるものは何か?と考えて、スイートポテトを作る事にしました。

お寺の方たちと園みんなの分となると、120個以上作る事になります。3歳児12人でどこまで作れるか・・・。と不安がありましたが、子どもたちは一生懸命!気づいたら1時間以上がたっていました。

給食室で焼いてもらい、園はおやつにハロウィンパーティーをして食べ、お寺の方たちにも渡しに行きました。本当はお寺の方たちみんなに直接渡せたらよかったのですが、山の上まで行くのは無理だったので、届けてもらうことにしました。

しばらくすると管長様からお礼の電話をいただきました。その時に私が、しっかり混ざってなくて味にばらつきもあり、美味しいかわかりませんが、と言うと、管長様は「いえいえ、そんなのはいいのよ。あったかい感じがあって、嬉しいです。」と言ってくださいました。

その言葉がとても嬉しく、子どもの思いも伝わった感じがして私の気持ちもあったかくなりました。「 頂く(食べる)前にお礼がいいたくて、あったかい感じが伝わって」と電話をくださった管長様のあたたかさを感じて、自分もあったかい人になれたらなぁと思った出来事でした。

もちろんすぐに、子どもたちに電話があったことを伝えました。

きょうのごはん

2013/12/07

(昼食)
・ごはん
・クリームシチュー
・フルーツサラダ

 

*本日のクリームシチューはじゃが芋のかわりにさつま芋を使用しました。子ども達はすぐに気づき、たくさんおかわりをしてくれました。

徘徊模擬訓練 1

2013/12/06

オランダは教育の面でも、認知症のケアなど介護の場面でもひとり1人を大切に、それぞれに違うことを大切に、できる限りそれぞれの希望を尊重する形で行われているように感じました。そう思ったときに、「日本人はすぐに協力しあい、助け合う」とオランダの方が感激していらしたのを思いだし、日本人の私たちはご先祖さまから受け継いできたすばらしい性質を持っているのだから、もっとそれを発揮すれば、協調、協力、融和などをベースにした新しい社会を築くことができるのではないかと、発想が広がってしまいました。今の子どもたちが大人になって、そういう社会を築いて、世界をリードしてほしいと思います。それにしても、人間は争うことをやめられないのでしょうか・・・

認知症について調べていたら、オランダの認知症施策を知り、イメージが広がりましたが、元々は認知症について考えていたのでした。というのは、11月に市原地区で、市原、静原、鞍馬の3地区合同で、徘徊模擬訓練というのが行われたからです。もしかしたら、徘徊しているのかな。何か困っているのかな。と思うような人を見かけたときに、私たちはどうするか、それを実際に行って体験しようというプログラムです。徘徊する役の人が、町を歩いているところに声をかけたり、家に帰れるようなことを考えてあげたり、関係機関に繋いだりと、いろいろな対応方法があることを学び、実際にやってみるという訓練です。市原地域包括支援センターが中心となって、市原、静原、鞍馬の社会福祉協議会などの人々が集まり、事前に何度か会議や勉強会をを重ねてから、当日を迎えたそうです。

当日は、まずもう一度認知症について基礎から学びます。ちょうどそれは認知症サポーター講習も兼ねていて、地域の皆さんも参加して学んでいらっしゃいました。どうやら児童館に来ている子どもたちも参加していたようで、後ろの方の席には子どもたちが陣取っていました。中には当園の卒園生もいて、私を見つけては「こんなとで、何してんの?」と声をかけてくれました。「何って、みんなと同じように勉強してるんだよ。」とありきたりの答えしか返せませんでしたが、そんなところで卒園生が一生懸命やっている姿に出会うのは嬉しいものです。

きょうのごはん

2013/12/06

(昼食)
・ごはん
・豆腐ハンバーグ
・野菜の梅肉和え
・さつま汁

(おやつ)
・いちご

 

*本日のおやつのイチゴは5年程前にご縁をいただいた九州の保育園の園長先生から頂いたイチゴです。すごく甘くて美味しいイチゴを大きな口でほおばっている子ども達。幸せそうでした!ちなみに職員も!!本当にありがとうございます。

きょうのごはん

2013/12/05

(昼食)
・ごはん
・すき焼き風煮物
・野菜のとろろ和え
・西京汁

(おやつ)
・ふかし芋

 

*本日の給食の西京汁は白みそで作っているのでほんのり甘く人気のメニューです。

紅葉

2013/12/05

11月中旬ごろ鞍馬山の木々の葉も赤や黄色に色づき、少しずつ色が変化して、毎日見る景色が変わります。色づいた葉が青い空に映え、とても美しく観光客の方もどんどん増え、保育園周辺もお参りの方で毎日にぎわっています。
そんな中、たんぽぽぐみ、すみれぐみ(0歳児・1才児)もトコトコお散歩によく出かけます。
歩いていると観光客の方が「かわいいね〜。小さいのにしっかり歩いてるね〜」などいっぱい声をかけてくださいます。
そのやりとりもうれしいのか、子ども達もニコニコ笑顔。
コミュニケーションの輪も広がり、子ども達は鞍馬の自然の中で、いろんな人に支えてもらいながらスクスク育ってゆくのを間近で感じています。

世界のリーダー

2013/12/05

オランダの方がおっしゃった「日本の人は協力、協調する」ということから、私たち日本人がもともと持っている協力する力や協調する能力に改めて気付くことができました。協力、協調とは少し違うかもしれませんが、震災の時でも略奪などが起こらなかったと世界中のメディアで取り上げられていました。地震、かみなり、火事、おやじではありませんが、日本はもともと地震、台風、大雪などの自然災害が多い国です。その自然災害が多い国で農耕を営んで暮らしていたことで、日本の文化の根底には、耐え忍ぶ力や、他の人と協力すること、助け合うことが醸成されてきたのかもしれません。ですから、私たちは協力する、助け合うという社会を構成するためにとても大切な遺伝子を持っているはずです。ただ、この協力、協調する能力が間違った方向に発揮されると滅私奉公的な考えや、全体主義に流されやすくなってしまうのかもしれません。そうならないように注意しながら協力、協調する力を、ひとり1人が幸せになることができる社会の発展のために活かせると良いと思います。

そのためにも、子どもたちが幸せでなくてはならないのです。「子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うために」(保育所保育指針)保育は行われなければならないのです。子どもがひとりの人間として大切にされ、信頼され、幸せに育つからこそ、子どもの心に、人を信じて、大切にすることが生まれてくるのです。もともと、私たち日本人が持っている協調、協力するという良いところが存分に発揮されるように子どもが育つことを考えれば、より良い社会、望ましい未来が近づくのではないでしょうか。

日本の文化を大切にしながら、少子高齢化をはじめとした現代の社会の現状を踏まえて、どんな保育を行うのが良いのか、既存の固定概念を取り払い、原点にかえって考えたいものです。
子どもたちが幸せに育ち、大人になった時には、世界中のみんなが幸せになれることを積極的に考え、進めるリーダーになることを祈らずにはいられません。

協力する力

2013/12/04

子育てにしても、介護にしても、ひとり1人を尊重して、ひとり1人の幸せのためには何が必要かをみんなでしっかりと考え、それを満足させるしくみを作っている国というイメージをオランダに持ちました。もともと、欧米は個人主義が思考のベースにあり、個人を大切にするとも考えられますし、個人を大切にするためにみんなが話し合ってルールを決め、しくみを作ることが行いやすいのかもしれません。

以前、オランダの Earth Games という会社の方が、来園されたことがありました。この会社は、みんなで協力する楽しさを味わうためのボードゲームを製作販売したり、協力協調のためのワークショップを行うなどの活動をしています。その時に保護者のご協力をお願いして集まっていただき、この会社の方に講師をお願いしてワークショップを開きました。みんなで話し合い協力して、出された課題に挑戦してゆくというワークショップで、皆さんとても楽しんで取り組んでくださいました。その中のワークショップの一つに、床にガムテープを貼って、迷路を作り、そこを目隠しをしてまわりの人の助け(どっちに行くと良いのかのアドバイス)を頼って進んでゆくというゲームがありました。準備のために床にガムテープを貼る場面があったのですが、講師の方がテープを貼るのを手伝ってほしいのですが。とおっしゃるとすぐに何人かの保護者がテープを床に貼りはじめてくださいました。私にとってはごく普通のことでしたが、あとで講師の方と話していたら、日本の方がとても協力的、協調的なのには驚いたとおっしゃったのです。どうしてなのかと思って尋ねたら、オランダで同じワークショップを行い、お手伝いを依頼するときは、「あなた手伝ってくれますか」といった感じで指名して初めて手伝ってもらえるのだが、日本では手伝ってほしいと言っただけで、複数の人が協力して手伝ってくれたから驚いたとおっしゃったのです。このことばを聞いて、逆に私が驚くとともに、日本にはもともと協調性や協力する文化が深く根付いていることを改めて感じました。

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