アンパンマンは子どもたちに大人気のキャラクターです。アンパンマンがいつ頃生まれたのかと思って調べてみたら、その原型作品は1969年の『PHP』に掲載されたそうです。そのときは人間の顔をしていて、顔があんパンになったのは、1973年にフレーベル館の『キンダーおはなしえほん』に掲載された「あんぱんまん」からです。1988年から日本テレビ系列で「それいけ!アンパンマン」がテレビアニメとして放映されはじめ現在まで続いています。
私が初めてアンパンマンを知ったのは、まだ学生の頃だったと思います。その頃、お茶のお稽古に毎週先生のお宅に通っていたのですが、お稽古をしていると、先生のお孫さんが見ていた「それいけ!アンパンマン」の音声が聞こえてきて、ついついそれが気になって、お点前がおろそかになってしまっていたことを思い出します。
最初はなにかかわいらしいアニメを見ているんだなと思っていたのですが、耳に入ってくる音はどうも聞き入ってしまうので、聞いていると。アンパンマンが「おなかがすいているんだね。ぼくの顔をお食べ」といった意味のことを言っていたのです。その台詞に軽いショックを覚えました。自分の顔を食べさせるとはどういうことなのだ。しかも子ども向けのアニメで、主人公のキャラクターがそんなことを言っているってどういうアニメなのだろうと言うことが気になって、お点前がついついおろそかになってしまったのです。そのあと、絵本だったかアニメだったかでアンパンマンを見たときに、本当に顔がかじられたように欠けていました。どうやら顔を食べさせてあげて顔が欠けると、顔が濡れたときと同じようにアンパンマンの力も減るようですが、それでも自分の顔を食べさせて、力なく飛んで帰るのです。なにかものすごいキャラクターだと思いました。